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ニュースリリース|2007

2007年04月19日

2006年度「第57回全日本そ菜原種審査会」で1等特別賞を受賞!
ネギF1新品種『夏扇パワー』の種子を発売
管理作業が容易で、低温期の“伸び”と“太り”をより一層強化した秀品率の高い早生多収の黒柄系一本ネギ


サカタのタネでは、黒柄系一本ネギのF1新品種『夏扇パワー』の種子の販売を全国の種苗店ルートを通じ2007年6月1日から開始します。『夏扇パワー』は、夏秋と秋冬どりができる「夏扇」シリーズの中でも特に低温期に葉鞘※1部の伸びと太りが非常によく、厳冬期の葉枯れが少ないため、商品価値の高いL~2L※2サイズを多収できる品種です。夏期でも葉色は濃緑で照りがあり、見栄えのよい青果物が収穫できます。また、葉折れが少なく立性※3で、そろいがよいので機械管理が容易です。さらにべと病※4、さび病※5、黒斑病※6に比較的強いことから農薬散布も軽減できる省力品種です。従来品種よりも低温期の伸びと太りがよく、葉枯れが少ないので在圃性も高い品種です。同品種は、試作段階での生産者の評価も高く、今後、産地への導入を積極的に図っていきます。税込希望小売価格は、1dl入缶7,875円、ペレット6,000粒入り缶5,670円、20ml入り袋1,680円、初年度販売目標額は、5,000万円です。

 

写真はネギのF1新品種『夏扇パワー』の青果物

※1 葉鞘:
主にイネ科・ネギ科など単子葉植物の葉は葉鞘(ようしょう)と葉身(ようしん)の二つの部分からなる。葉緑体を多く含み、光合成をさかんに行う葉身に対し、葉鞘は葉の基部が茎を包むように鞘状に発達した部分で、主に養分の貯蔵と茎の保護する働きがある。長(白)ネギは、この葉鞘部に土を寄せ、軟白させることで食用とする。

※2 L~2L:
産地によって規格は若干異なるが高品質のL~2Lは、茎の太さは1.5cm以上で、夏場は葉鞘部の軟白部分が25cm以上のもの、冬場は30cm以上のもので、太くなるほどL、2Lと階級が高くなる。

※3 立性:
立性の品種は、隣の株と葉が絡まないことから収穫しやすく、また、集荷の際に袋詰しやすいなど作業性が優れる。

※4 べと病:
べと病菌(Peronospora destructor)により起こる病害。葉に不明瞭な退色斑~葉枯れ症状を呈し、表面には灰白色~灰紫色のかびを生じる。晩冬~初夏までの発生が多い。

※5 さび病:
さび病菌(Puccinia allii)により起こる病害。葉にやや隆起した橙黄色の小斑点を多数生じる。晩冬~初夏および秋に発生が多い。

※6 黒斑病:
黒斑病菌(Alternaria porri)により起こる病害。葉に黒~赤紫色で比較的大型の斑点を生じる。表面には黒粉状の胞子が見られる。晩冬~初夏および秋に発生が多い。

長(白)ネギは、「赤柄(あかがら)」「合柄(あいがら)」「合黒(あいぐろ)」「黒柄(くろがら)」の4つの系統に大きく分類されます。赤柄系は分けつ性が強い系統で、春まきして冬期年内どりしますが、現在はほとんど栽培されていません。黒柄系は、分けつせず一般的に暑さに強く高温期に葉鞘の伸張性に優れ、秋まきし翌年の夏秋に収穫します。葉と葉の合わせ目がほぼ横に入り節間が短く、この部分の締まりがよいのが特長です。環境に対する適応性は広く、春まきして秋冬に収穫することもできます。

赤柄と黒柄の中間の性質を示すのが合柄と合黒です。これらもほぼ分けつしないネギで一般的に寒さに強く低温期に葉鞘の伸長性に優れ、春まきして秋から年明けの厳冬期かけて収穫します。いずれも葉と葉の合わせ目が着物の襟のように斜めになっていて、節間が黒柄よりも長く、葉と葉の合わせ目の締りがやや緩い系統です。合黒系はより合柄系よりも黒柄系に近く「石倉ネギ」はその代表品種です。

これらのうち、現在多く栽培されている一本ネギと呼ばれる長ネギのほとんどが「黒柄」「合黒」「合柄」に分類されます。

分けつする・耐暑性弱い
赤柄 < 合柄 < 合黒 < 黒柄
分けつしない・耐暑性強い

1977年に最初のネギのF1品種が発表され、それまで固定種が中心だった長ネギは、F1化の時代に突入しました。1980年代に入り、各社からF1品種が発表され、当社でも1988年にF1品種の「夏扇」を発表いたしました。この品種は、抜群にそろいがよく、秀品率の高い多収性のネギとして広く認知され、産地における固定品種からのF1品種化を推進しました。

当社では、現在、合黒系の秋冬ネギとして「冬扇2号」「冬扇3号」を、同じく合黒系の春ネギとして「春扇」を、また黒柄系の夏秋および秋冬ネギとして作型や産地特性に合わせた「夏扇2号」「夏扇3号」「夏扇4号」をラインナップしています。

当社のネギ「夏扇」シリーズは、立性で葉折れが少なく管理機(土寄せ機)での土寄せがしやすく、べと病、さび病、黒斑病に比較的強いことから農薬散布などが削減でき、作業性に優れ省力化が図れるシリーズです。厳寒期の葉枯れが極めて少なく、首部の葉の合わせ目の締りもよいことから秀品率が高く、各産地で高い評価を得ています。

今回、当社が発売する新品種『夏扇パワー』は、これまでの「夏扇」シリーズの特長にくわえ、低温期に葉鞘部の伸長性と太りをより一層強化することで、商品価値の高いL~2Lの上物本数や同重量が高い多収品種です。とりわけ秋冬どりでは年明けの厳冬期に、より穏やかに成長するため葉鞘部の太りに優れ、首割れが少ないため在圃性が高く、この時期の上物率は「夏扇4号」を大き く上回ります。夏期でも『夏扇パワー』の葉色は濃色で照りがあり、見栄えのよい青果物が収穫できます。これらは『夏扇パワー』の草勢の強さ、根張りのよさによるものです。

これらのことから『夏扇パワー』は、試作段階において2006年度「第57回全日本そ菜原種審査会(2006.11.9群馬県農業技術センターにて開催)の「ネギ(秋まき秋冬どり)」部門において1等特別賞を受賞しています。


写真は葉枯れの比較 左:『夏扇パワー』  右:他社品種

■ネギのF1新品種『夏扇パワー』の概要
◆特徴
1.耐暑性、耐寒性があり、夏秋および秋冬どりに適する適応作型の広い黒柄系一本ネギ。
厳冬期の太りと伸びが非常によく、従来の黒柄系に比べて低温伸長性をより一層強化した多収品種。夏秋どりでは従来の「夏扇」品種よりも首部の葉の合わせがやや緩めになることがある。
2.立性で葉折れが少なく機械作業の適応性が高い。厳寒期の葉の枯れ込みが少なく、在圃性にも優れ、収穫調整作業が容易。
3.葉鞘の軟白部の長さと太さが商品価値の高いL~2Lでそろうため秀品率が高い。
4.根の張りがよく、べと病、さび病、黒斑病には比較的強い。また、苗のそろいや定植後の生育がよいため、露地育苗のほか、チェーンポットやセル育苗での栽培で特に能力を発揮。

◆栽培のポイント
本品種は夏どりから厳寒期どりまでできる、作型適応性が広い品種です。温暖地では特に年明けどりで能力を発揮します。年明けどりでは、収穫遅れによる葉の枯れ込み、首割れ等の発生が少なく在圃性に優れるため、安定した出荷が可能です。また、寒冷地では、早生性を生かし7月から収穫できます。

1.播種・育苗
264穴チェーンポットでは、10a当たり70~80枚分必要で、1穴当たり2粒まきおよび2.5粒まき(2粒3粒交互まき)を標準としますが、早出しをねらう場合は2粒まきにします。

2.土作りと施肥
定植1か月前に苦土石灰と堆肥を施し、深く耕やしておきます。施肥量は10a当たり成分で窒素20~30kg、リン酸20~25kg、カリ20~25kgが標準です。元肥:追肥は2:8あるいは3:7の割合で施し、追肥は土寄せごとに5~6回に分けて施し、収穫時まで肥切れをしないように注意します。

3.定植
秋冬どりでは、高温期に湿害などの影響を受けやすいため、特に排水性のよい圃場を選びます。栽植密度は畝幅90~100cm、溝の深さ15~20cm、株間2.0~2.5cmで定植します。

4.土寄せ
土寄せは一度にたくさん行わず、追肥と兼ねて4~5回に分けて行います。高温期は生育停滞期なのでなるべく土を動かさないようにし、生育不良にならない程度の肥効にとどめます。

5.病害虫防除
生育初期の病害虫による被害は致命的となるため、早期防除を徹底します。また、高温期は病害が発生しやすいため、排水対策に努めると同時に、病害発生前に、それぞれに応じた薬剤を用いて株元散布すると効果的に防除ができます。

6.収穫
特に太りのよい品種のため、太り過ぎないように適期収穫を心がけます。

◆作型図



◆種子価格(税込希望小売価格)
1dl入り缶           7,875円
ペレット6,000粒入り缶     5,670円
20ml入り袋          1,680円

◆種子発売時期 
2007年6月1日から販売開始

◆販売目標 
初年度5,000万円  (2007年6月~2008年5月の1年間)

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