サカタのタネ
  • 商品情報 総合案内サイト
  • English
  1. HOME>
  2. ニュースリリース>
  3. 2007>
  4. 夏秋、抑制栽培に最適な大玉トマトのF1新品種『りんか409』の種子を発売

ニュースリリース|2007

2007年10月19日

節間が短く落花が少ないので収量性に優れ、複合耐病虫性を持ち、果実の品質と食味が抜群によい
夏秋、抑制栽培に最適な大玉トマトのF1新品種『りんか409』の種子を発売
しっかりとした肉質なのに口のなかでとろけるような食感と高糖度でコクのある味わいが特長


サカタのタネは、大玉トマトのF1新品種『りんか409』の種子を2007年12月1日から発売いたします。『りんか409』は、トマト生産に求められる「収量・食味・耐病虫性」の3要素を兼ね備えた夏秋※1、抑制栽培※2に最適な画期的品種です。本品種は節間が短いので収穫段数(花房数)を多くでき、従来品種よりも落花(花振るい)が少なく、ホルモン処理※3効果も高いことから着果率が高い特長を持ちます。果実は豊円腰高で果色・色まわりよく、高温環境下での着果性に優れ、裂果※4や空洞果※5が出にくく、ボリュームがありずっしりと重い高品質なトマトが安定的に収穫できます。また、『りんか409』はおいしさで定評のあるファーストトマト※6のようなしっかりとした肉質でありながら、口のなかでトロリととろけるような食感と、高糖度でコクのある食味に優れたトマトです。販売は全国の種苗店ルートを通じて行ない、税込希望小売価格は、種子1,000粒入り1袋19,530円と100粒入り1袋2,100円です。


写真はトマトのF1新品種『りんか409』の青果物

夏秋栽培は、収穫期間が長期に及ぶことが特徴です。つまり栽培初期は梅雨時期と重なり日照不足による果重や品質の低下、夏場の高夜温による呼吸量増大、同化産物の消費増大、夏の高温乾燥を経た後の10月以降の低温期の株疲れや裂果発生などがあります。抑制栽培も栽培時期が高温期に重なり、夏秋栽培とほぼ同様の問題を抱えています。

特にその大半を占める夏場は、地球温暖化の影響か、近年、国内でも気温が異常に上昇することが多くなっています。この時期の作型は基本的にハウス栽培のため、さらに高温になりやすく、そのことがトマト生産に大きな影響を及ぼしています。通常25℃以上の高温になるとトマトは花粉の出が悪くなり、花粉そのものも障害をきたし、あるいは花が咲き難くなることなどから着果が悪くなります。また、夏秋栽培のハウスは雨よけが目的でハウス側面にはフィルムを張らず、抑制栽培ではほかの作物の後作としてそのまま単棟のハウスを利用します。これらのことからいずれの栽培でも交配にハチを使いづらく、着果のためにホルモン処理をすることが一般的です。しかし、実際にはホルモン処理の効果が低く、そのことがこの時期のトマトの着果率を低くする一因になっています。今回、当社が開発した大玉トマトのF1新品種『りんか409』は、従来品種よりも、落花が少なく、花粉の出もよく、一般的に行われるホルモン処理の効果も高く、低段から各花房の着果率が高い品種です。

さらに、節間が短いにもかかわらず、一般に同様の特長を持つ品種で発生が多いとされる異常茎※7が『りんか409』は、ほとんど出ません。このことから誘引作業が軽減できるとともに、収穫段数を多くできるので、例えばスイカやメロンの後作として天井の低いハウスで行われる抑制栽培でも、従来品種が8段ほどのところ9段以上つけることができます。また、全期間を通して草勢は穏やかで、高温期に株が暴れることがほとんどないので、そのことが『りんか409』の着果率をさらに高めます。

また、夏秋栽培のように栽培期間が長くなると、さまざまな障害や病虫害に対する対策も必要になってきます。『りんか409』は、ToMV※8(Tm-2aへテロ)、萎凋(ちょう)病※9(F:R-1、2)、半身萎凋病※10、葉かび病※11、斑点病※12の抵抗性を、根こぶ病の発生原因ともなるネマトーダ(ネコブセンチュウ)に対して耐虫性を持ちます。なかでも葉かび病は梅雨時の長雨や10月以降の低温期にハウスを閉め切った加湿条件で発生しやすく、これらの時期の栽培で『りんか409』は威力を発揮します。さらに『りんか409』は、裂果や空洞果などの生理障害が出にくい特長もあります。

そして、『りんか409』で特筆すべきはその食味のよさです。かつてファーストトマトは、おいしいトマトとして親しまれながら肉質が柔らかくなりやすく、日持ちが悪く、独特の尻のとがった部分が傷むといった理由から、いつしかあまり見かけなくなってしまいました。『りんか409』はおいしさで定評のあるファーストトマトのようなしっかりとした肉質でありながら、口のなかでとろけるような食感と、高糖度でコクのある味わいが楽しめる食味の極めてよい品種です。しかも果実は豊円腰高で肥大がよく、平均220~240gほどのボリュームがあり、低温期でも果色・色まわりに優れ、硬く、日持ちのよい品種です。

これらのことから、上物率は試作段階で従来品種よりも2~3割ほど高く、いわゆる「秀品」と呼ばれる品質のよいトマトが安定的に収穫できます。

このように『りんか409』は、「収量・食味・耐病虫性」の3要素を兼ね備えた新品種として、すでに試作段階で生産者の高い評価をいただいており、長年にわたりトマトの研究開発に携わってきた当社が自信を持って発表する新品種です。

■大玉トマトのF1新品種『りんか409』の概要
◆特長
1.ToMV(Tm-2aへテロ)、萎凋病(F:R-1、2)、半身萎凋病、葉かび病、斑点病の抵抗性を、根こぶ病の発生原因ともなるネマトーダ(ネコブセンチュウ)に対して耐虫性を持つ。
2.草勢は初期にはやや強く、中~後半は中程度。早生で落花が少なく着果性がよく、下段より果実の肥大力があり多収。空洞果、すじ腐れ果の発生が少なく、秀品率が高い。
3.果実は豊円腰高で果色・色まわりにすぐれる。硬玉で日持ち性がある。
4.食味は肉質よく、高糖度でコクがあり極良。
5.節間が短く誘引作業も軽減でき、スイカやメロンの後作など天井の低いハウスでの栽培にも適する。
6.夏秋、抑制栽培に最も適する。

◆栽培のポイント 
1.育苗管理
播種床の地温は25~28℃とし、播種後14日ぐらいの本葉1.5枚時に移植を行う。葉と葉が接触するころに苗広げを行い、育苗面積を十分にとる。肥料不足のときは液肥などで追肥を行う。

2.定植準備
作付け前に圃場(ほじょう)の土壌診断を行い、適正な肥料設計を立てる。元肥量は圃場により異なるが、10a当たり成分量で窒素12~15kg、リン酸15~20kg、カリ15~20kgを標準とする。

3.定植・栽培管理
定植は第1花開花前~開花ごろを基本とし、若苗定植も可能である。灌水(かんすい)は、第1段着果~果実肥大期ごろを目安に行い、初期からスムーズに生育させる。追肥は第4段花房開花ごろを目安に草勢を見て行う。

4.病害虫防除
青枯病の汚染圃場では、「サポート」「マグネット」などの台木を用いて接木栽培を行う。また、CMV、TSWV、TYLCVに対する抵抗性はないので、アブラムシ、アザミウマ、コナジラミなどの防除を徹底する。

◆栽培上の注意点 
1.草勢が中程度でスタミナはあるが、着果性がよく、果実の肥大もよいので草勢の維持がポイントとなる。
2.花数が多くなる段も出てくるので、摘果作業が重要である。
3.果実の色まわりがよく、全体に着色する傾向がある。出荷の熟度表に従い、採り遅れのないようにする。
4.やや高めの温度管理が適している品種である。秋口の温度下降期には早めにハウス側面を閉め、保温に努める。
5.果実がかたく、日持ち性がよく、赤熟収穫向き品種であるが、高温期は赤熟状態で水分の流入、吸収がなされると裂皮することがあるので注意する。

◆作型図  


◆種子価格(税込希望小売価格)
1,000粒入り袋1袋 19,530円
100粒入り袋1袋   2,100円

◆種子発売時期 
2007年 12月1日から全国種苗店ルートで発売開始

※1 夏秋栽培:
夏から秋にかけて収穫されるトマトの作型を夏秋栽培という。夏秋期に出荷されるトマトは、全国各地で栽培されており、特に北海道、青森、福島、群馬、岐阜県などで栽培が多い。作型は、2月中旬~5月に播種し、7~10月を中心に収穫する栽培が中心である。

※2 抑制栽培:
主に5月中旬~7月上旬にかけて播種し、収穫期間は、無加温の場合7月~11月、加温の場合7月~2月までである。抑制栽培は、ハウスでのスイカ、メロン、キュウリ、トマトなどの後作として栽培が行なわれている。産地は関東以南が中心で、特に茨城県、千葉県、熊本県で栽培が多く、この3県で全国の約80%を占めている。

※3 ホルモン処理:
10℃以下の低温や35℃以上の高温では花粉の形成が阻害され、着果不良になりやすい。そのため、極端な温度にあわない作型においても、着果を確実にして、草勢をコントロールするためにホルモン剤の処理を行う。この処理のことをホルモン処理という。

※4 裂果:
収穫期近くになり、果実表面が果実内部の膨圧に耐えきれず、はじき割れることである。裂果には、果梗(かこう)部を中心に同心円状に果実が裂ける同心円裂果、果梗部から放射状に裂ける放射状裂果および果実側面が裂ける側面裂果がある。「りんか409」は特に放射状裂果の発生が少ない。

※5 空洞果:
果肉部がゼリー状物質で充満せずに果皮部と胎座部の間に空洞が生じた果実。

※6 ファーストトマト:
果実の先がとがっているのが形状の特徴で、酸味と甘みのバランスがよく、果肉が厚くゼリー部分が少ない。肉質はトロリとして食味にとても優れる。しかし、現在の主流の丸玉系のトマトに比べ果肉が柔らかく日持ちがしないという欠点があるため、近年では生産量は極めて少なくなっている。

※7 異常茎:
一般に「めがね茎」とか「窓あき茎」と呼ばれるものを指し、茎の異常肥大や葉の過繁茂を伴うものである。このような症状になるのは、成長点近くのずい部柔細胞が壊死(えし)し、その部分が他の組織の成長に応じきれずに裂け目となって残ったり、窓あき状になったりするためであり、重症になると主茎の先端が壊死する。異常茎になると花器の発育が悪くなり、落花や果実の肥大不良が増加するなど収量や品質に与える影響も大きい。

※8ToMV(トマトモザイクウイルス):
主として葉にモザイク症状が現れ、ときに葉の先が細くなることもある。また、茎葉や果実に激しいえそが生じる場合もある。接触伝染や土壌伝染するため、はさみや手袋などの消毒や土壌消毒を行う。

※9 萎凋病:
土壌病害で病原菌(糸状菌)は根から侵入して導管内を伸展するので、はじめ葉が萎凋、黄化してついには株全体がしおれて枯死する。本病原菌には3つのレースが存在する。

※10 半身萎凋病
土壌病害で根の傷口から病原菌(糸状菌)が侵入する。はじめ下葉の一部の片側半分が黄化萎凋し、やがて株全体の半身がしおれて枯れ込む。定植一か月後ころから地上部に病徴が発現し始めて、以後収穫が終わるまで慢性的に発生し続ける。夏秋トマト栽培で発生しやすい。

※11 葉かび病:
糸状菌による病害。葉だけに発生する。はじめ葉の表側にボンヤリとしたやや黄色みがかった病斑が発生し、やがて葉の裏側に灰白色のかびが発生する。ひどいと葉の表側にもかびが生じ、葉枯れを起こす。多湿条件化で発生し、着果不良や果実の肥大不良の原因となる。

※12 斑点病:
糸状菌による病害。主として葉に発生する。病斑ははじめ緑褐色の小斑点で、その後拡大して2~3mmの淡褐色~暗褐色の円形となる。病斑の周囲は黄変し、病気が進むと病斑の中心部に穴があく。多湿条件下で発生し、窒素過多や肥切れするようなときに発病しやすい。 

ページの先頭へ

ニュースリリース

株式会社サカタのタネ
Copyright (C) SAKATA SEED CORPORATION All Rights Reserved.