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ニュースリリース|2008

2008年04月22日

トマト栽培で問題となる青枯病に当社最高レベルの耐病性をもつ、夏秋栽培、抑制栽培に好適な品種
台木トマト『レシーブ』の種子を発売
萎凋病、半身萎凋病、根腐萎凋病、ToMV(Tm-2a型)の抵抗性を兼ね備え、栽培後半までスタミナが持続


サカタのタネは、台木トマトの新品種『レシーブ』の種子を2008年6月1日から全国種苗店ルートで発売いたします。『レシーブ』の最大の特長は、温暖化傾向にある昨今、被害が拡大している青枯病※1に対し、当社台木トマト品種の中で最高レベルの耐病性※2を発揮することです(当社試験比較による)。青枯病は4月から9月にかけて多く発生するため、特に夏秋栽培※3、抑制栽培※4に好適な台木トマトです。

『レシーブ』は、萎凋病※5、半身萎凋病※6、根腐萎凋病※7、ToMV(Tm-2a型)※8の抵抗性※9も兼ね備えています。草勢はややおとなしいですが、栽培期後半までスタミナが持続するため栽培管理が容易です。また、すじ腐れ果※10、空洞果※11の発生が少なく、食味などの品質低下が少ないのも特長です。さらに、発芽のそろい、発芽率とも安定してよいので、大量の接ぎ木を行なう苗生産現場でも効率よく作業を行なうことが可能です。台木トマトの新品種『レシーブ』の税込み希望小売価格は、種子1,000粒入り1袋11,970円です。

 

写真は台木トマト『レシーブ』の苗

2本以上の植物体の一部を、人為的につくった切断面で接着した1つの個体を「接ぎ木」といいます。その際に、上部にする植物体を「穂木(ほぎ)」、下部にする植物体のことを「台木」といいます。

トマト栽培において台木品種を使用する目的は、「穂木を、土壌病害などに対して抵抗性や強い耐病性をもつ台木に接ぎ木することにより病気の被害を防ぐ」、「草勢のおとなしい穂木を草勢の強い台木(もしくは草勢の強い穂木を草勢のおとなしい台木)に接ぎ木し、草勢をコントロールして適切な栽培管理を行ない収量アップや品質の向上を図る」などです。

現在、促成※12、半促成※13栽培トマトのほぼ100%が病害防除と草勢維持を目的に台木トマトを使った接ぎ木をしており、夏秋栽培でも30~40%程度で、接ぎ木が行なわれています。特に土壌病害である青枯病は、気温が20℃前後から発生しやすく、昨今の温暖化傾向により、生産現場での同病の被害はより深刻になっています。そのため、より青枯病に強い台木トマト品種がトマト栽培において強く求められています。このことから、台木トマトはたいへん重要な役割を担っており、日本全体の台木トマト種子の市場規模は約7億円ともいわれています(数値は2007年当社推定)。

台木トマトの新品種『レシーブ』は、青枯病の被害を徹底的に押さえ込むべく育種研究を重ね、現時点で当社最高レベルの青枯病の耐病性をもつ品種で、青枯病に強い耐病性をもつと評価されている従来品種「サポート」よりもさらに強い耐病性を持ちます(当社試験比較による)。特に青枯病の被害の大きい夏秋栽培、抑制栽培に適し、併せて、萎凋病、半身萎凋病、根腐萎凋病、ToMV(Tm-2a型)の抵抗性をもつので、収量を上げることができます。草勢が強い穂木品種に対して『レシーブ』はややおとなしいため、接ぎ木することにより、草勢が矯正されます。また、必要に応じて肥料などで草勢が管理でき、栽培後半までスタミナが持続する台木トマト品種です。

サカタのタネは、『レシーブ』の他に既存の台木品種として「マグネット」「サポート」「ブロック」を販売していますが、栽培するトマトの品種の特性や栽培方法、栽培時期、発生している病気の状況などに応じて最適な台木品種を生産者に提案し、拡販していきます。

*参照:「『サカタ交配』台木トマトの特性と使い分け」(参考1)および「サカタのタネ・台木トマト特性一覧表」(参考2)

■特長
1.萎凋病(F:レース1,2)、半身萎凋病(V)、根腐萎凋病(J3)、ToMV(Tm-2a型)に抵抗性で、ネコブセンチュウ(N)に耐虫性をもつ。青枯病(B)に対して当社最強の耐病性をもつ台木用トマト。
2.発芽そろいがよく、発芽率も安定してよい。
3.草勢はややおとなしいが、後半までスタミナが持続する。
4.すじ腐れ果や空洞果の発生が少なく、食味などの品質低下が少ない。
5.青枯病の被害の大きい夏秋栽培、抑制栽培に適し、収量を上げることができる。

■栽培上の注意点 
1.草勢はややおとなしいので、自根(接ぎ木をしない栽培方法)並みの肥培管理を行なう。
2.穂木がTm-1型のToMV抵抗性品種や、ToMV感受性品種には使えないので注意する。
3.褐色根腐病(K)の耐病性はないので、汚染の恐れがある場合は、太陽熱消毒などで予防する。

■種子価格(税込み希望小売価格)
1,000粒入り袋1袋 11,970円

■種子発売時期 
2008年6月1日から全国種苗店ルートで発売開始

※1 青枯病:
土壌病害で病原菌(細菌)が根の傷口から感染、侵入して発病する。一般に気温が20℃くらいから発病し始め、日中、地上部全体が青いまましおれ、ついには枯死する。トマトのほかナス、ピーマン、ジャガイモなどのナス科植物に大きな被害をもたらす。

※2 耐病性:
耐病性は圃場抵抗性ともいい、おかされはするが、その程度が軽いという性質をいう。

※3 夏秋栽培:
夏から秋にかけて収穫されるトマトの作型を夏秋栽培という。夏秋期に出荷されるトマトは、全国各地で栽培されており、特に北海道、青森、福島、群馬、岐阜などで栽培が多い。作型は、2月中旬~5月にタネまきし、7~10月を中心に収穫する栽培が中心である。

※4 抑制栽培:
主に5月中旬~7月上旬にかけてタネまきし、収穫期間は、無加温の場合7月~11月、加温の場合7月~2月までである。抑制栽培は、ハウスでのスイカ、メロン、キュウリ、トマトなどの後作として栽培が行なわれることが多い。産地は関東以南が中心で、特に茨城、千葉、熊本で栽培が多く、この3県で全国の約80%を占めている。

※5 萎凋病:
土壌病害で病原菌(糸状菌)は根から侵入して導管内を伸展するので、はじめ葉が萎凋、黄化してついには株全体がしおれて枯死する。本病原菌には3つのレースが存在する。

※6 半身萎凋病:
土壌病害で根の傷口から病原菌(糸状菌)が侵入する。はじめ下葉の一部の片側半分が黄化萎凋し、やがて株全体の半身がしおれて枯れ込む。定植一か月後ころから地上部に病徴が発現し始めて、以後収穫が終わるまで慢性的に発生し続ける。夏秋栽培で発生しやすい。

※7 根腐萎凋病:
土壌病害で病原菌(糸状菌)が根から侵入して根腐れや維管束の褐変をおこす。発病は地温が15~20℃のときに激しく、晩秋から春にかけて発生する。慢性的にしおれ、下葉から黄化してやがて枯死する。

※8 ToMV(トマトモザイクウイルス):
主として葉にモザイク症状が現れ、ときに葉の先が細くなることもある。また、茎葉や果実に激しいえそが生じる場合もある。接触伝染や土壌伝染するため、はさみや手袋などの消毒や土壌消毒を行う。ToMV抵抗性遺伝子にはTm-1とTm-2およびTm-2aがあり、植物体内でのウィルスの増殖や移行を阻害して発病を抑制する。台木品種がTm-2a型の場合、穂木品種がTm-1型や、ToMV感受性の品種は使えないので注意する。

※9 抵抗性:
抵抗性とは真性抵抗性ともいい、病害自体におかされない性質をいう。

※10 すじ腐れ果:
果皮部の維管束が壊死(えし)し、黒変や褐変した果実。

※11 空洞果:
果肉部がゼリー状物質で充満せずに果皮部と胎座部の間に空洞が生じた果実。

※12 促成栽培:
主に7月下旬から9月上旬にかけてタネまきし、収穫は、短期栽培では10月から3月、長期栽培の場合は10月から7月までの作型である。

※13 半促成栽培:
ほかの作物の後作として、秋から冬にかけてタネまきし、初夏まで収穫する作型。

■参考1:「サカタ交配」台木トマトの特性と使い分け
◆夏秋、抑制栽培の青枯病対策

品種名 特 性
レシーブ 青枯病に当社最強の耐病性台木。草勢は自根並みで、管理しやすい台木。
サポート 青枯病に強度の耐病性台木。草勢がやや強く、初期成育が早いので、特に初期に収量を上げたい場合に推奨。

 ◆全作型適応

品種名 特 性
ブロック 萎凋病レース3抵抗性、青枯病、褐色根腐病に優れた耐病性の万能型台木。発病圃場はもとより、未発病圃場の予防としても適する。
マグネット 青枯病、褐色根腐病に優れた耐病性の台木。草勢強くスタミナが後半まで維持できるため、特に収量を上げたい方、2本仕立ての栽培に好適。

■参考2:サカタのタネ 台木トマト特性一覧表(当社試験比較)

品種名
耐病性の種類
ToMV抵抗性遺伝子
草 勢
N
F-1
F-2
F-3
J3
V
K
B
レシーブ
   

○9

Tm-2a 型
やや弱
サポート
   

○8

Tm-2a 型
やや強
ブロック

○6

Tm-2a 型
やや強
マグネット
  ○6
Tm-2a 型
N:サツマイモネコブセンチュウ F-1:萎凋病レース1 F-2:萎凋病レース2 F-3:萎凋病レース3 J3:根腐萎凋病 V:半身萎凋病 K:褐色根腐病 B:青枯病 
◎:抵抗性、○:耐病性  耐病性の程度 弱い1←→10強い

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