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ニュースリリース|2009

2009年10月19日

トマト栽培で問題となる褐色根腐病に当社最高の耐病性をもつ、促成栽培、半促成栽培に好適な品種
台木トマト『フレンドシップ』の種子を発売
青枯病にも強度の耐病性を発揮し、多くの病気にも抵抗性を兼ね備え、栽培期後半までスタミナが持続


サカタのタネは、台木トマトの新品種『フレンドシップ』の種子を2009年11月4日から全国種苗店ルートで発売します。『フレンドシップ』の最大の特長は、増加する連作障害のなかでも大きな問題となっている褐色根腐病※1に対し、当社台木トマト品種のなかで最高の耐病性※2を発揮することです(当社試験比較による)。褐色根腐病は冬から春にかけて多く発生するため、同品種は特に促成栽培※3、半促成栽培※4に好適な台木トマトです。『フレンドシップ』は、同じ連作障害の青枯病※5にも強度の耐病性を発揮するとともに、萎凋病※6、半身萎凋病※7、根腐萎凋病※8、ToMV(Tm-2a型)※9の抵抗性※10も兼ね備えています。草勢は中程度で栽培管理も容易で、栽培期後半までスタミナが持続するため収量を上げることができます。また、すじ腐れ果※11、空洞果※12の発生が少なく、食味などの品質低下が少ないのも特長です。さらに、発芽のそろい、発芽率とも安定しているので、大量の接ぎ木を行う苗生産現場でも効率よく作業することが可能です。台木トマトの新品種『フレンドシップ』の税込み希望小売価格は、種子1,000粒入り1袋11,970円です。

写真は台木トマト『フレンドシップ』の苗

台木品種は、近年果菜類の栽培で主流になっている「接ぎ木」栽培に使用される品種です。「接ぎ木」とは、通常2個体の植物体の一部を、人為的につくった切断面で接着した1つの個体のことをいい、上部にする植物体を「穂木(ほぎ)」、下部にする植物体のことを「台木」といいます。
トマト栽培において台木品種を使用する目的は「穂木を土壌病害などに対して抵抗性や強い耐病性をもつ台木に接ぎ木することにより、病気の被害を防ぐ」「草勢のおとなしい穂木を草勢の強い台木(もしくは草勢の強い穂木を草勢のおとなしい台木)に接ぎ木し、草勢をコントロールして適切な栽培管理を行い収量アップや品質の向上を図る」などです。
 
現在、促成、半促成栽培トマトのほぼ100%が病害防除と草勢維持を目的に接ぎ木しており、夏秋栽培でも30~40%程度で、接ぎ木が行われています。
 
近年、ハウス栽培の普及により、トマトの安定した生産が可能になりましたが、連作による障害が年々増えてきています。防除が難しい代表的な病害として、冬春に発生する褐色根腐病と夏秋に発生する青枯病があります。ハウス栽培において、品質の高い安定したトマト生産を行うために、褐色根腐病、青枯病に強い台木トマト品種が強く求められています。これらのことから、台木トマトはたいへん重要な役割を担っており、日本全体の台木トマト種子の市場規模は約9億円と当社では推定しています。

台木トマトの新品種『フレンドシップ』は、特に連作障害のなかでも褐色根腐病の被害を徹底的に抑え込むために研究開発を重ね、現時点で当社最高の褐色根腐病の耐病性をもつ品種です。同時に青枯病にも強度の耐病性を発揮し、併せて、萎凋病、半身萎凋病、根腐萎凋病、ToMV(Tm-2a型)の抵抗性をもちます。また、『フレンドシップ』の草勢は中程度で、必要に応じて肥料などで草勢を管理でき、栽培後半までスタミナが持続し収量を上げることができるのも特長です。
 
当社は『フレンドシップ』のほかに既存の台木品種として、夏秋栽培※13、抑制栽培※14の青枯病対策に好適な「レシーブ」「サポート」、全作型に適応した「ブロック」「マグネット」を販売しています。幅広いラインアップがより多くの生産者の要望に応じることで、台木トマト市場のシェアアップを行っていきます。また、栽培するトマトの品種の特性や栽培方法、栽培時期、発生している病気の状況などに応じて、当社は最適な台木品種を生産者に提案し、拡販していきます。
*参照:「『サカタ交配』台木トマトの特性と使い分け」(参考1)および
「サカタのタネ・台木トマト特性一覧表」(参考2)


■特 長
1.萎凋病(F:レース1,2)、半身萎凋病(V)、根腐萎凋病(J3)、ToMV(Tm-2a 型)に抵抗性、ネマトーダ(N)に耐虫性をもつ。褐色根腐病(K)に対して当社最強の耐病性をもつとともに、青枯病(B)にも強度の耐病性をもつ台木用トマト。
2.発芽そろいがよく、発芽率も安定している。
3.草勢は中程度で栽培のコントロールがしやすく、後半までスタミナが持続し収量が上がる。
4.すじ腐れ果や空洞果の発生が少なく、食味などの品質低下が少ない。
5.褐色根腐病の被害の大きい促成栽培、半促成栽培に適し、収量を上げることができる。

■栽培上の注意点
穂木は必ずToMV抵抗因子Tm-2またはTm-2aを含んだ品種を使用すること(当社ToMV抵抗性品種はすべて使用可能)。ToMV罹病(りびょう)性品種またはTm-1因子のみの抵抗性品種に接木した場合、ToMVに感染すると植物体が枯死することがある。

■種 子 価 格(税込み希望小売価格) 
1,000粒入り袋1袋    11,970円

■種子発売時期
2009年11月4日から全国種苗店ルートで販売開始


※1褐色根腐病(K):おもに促成栽培などの低温期に発生する土壌病害で、病原菌(糸状菌)が根に感染して発生する。感染した根は褐色に変色して表面がざらざらにコルク化する。土壌中からの水分の吸収ができなくなるため、日中晴れると茎葉がしおれる。やがて感染した植物体は枝葉が黄化して完全に枯死する。

※2耐病性:耐病性は圃場抵抗性ともいい、病害におかされはするが、その程度が軽いという性質をいう。

※3促成栽培:おもに7月下旬から9月上旬にかけてタネまきし、短期栽培では10月から3月、長期栽培の場合は10月から7月まで収穫するトマトの作型。

※4半促成栽培:ほかの作物の後作として、秋から冬にかけてタネまきし、初夏まで収穫するトマトの作型。

※5青枯病(B):土壌病害で病原菌(細菌)が根の傷口から感染、侵入して発病する。一般に気温が20℃くらいから発病し始め、日中、地上部全体が青いまましおれ、やがて枯死する。トマトのほかナス、ピーマン、ジャガイモなどのナス科植物に大きな被害をもたらす。

※6萎凋病(F):土壌病害で病原菌(糸状菌)は根から侵入して導管内を伸展するので、はじめ葉が萎凋、黄化してやがて株全体がしおれて枯死する。本病原菌には3つのレースが存在する。

※7半身萎凋病(V):土壌病害で根の傷口から病原菌(糸状菌)が侵入する。はじめ下葉の一部の片側半分が黄化萎凋し、やがて株全体の半身がしおれて枯れ込む。定植一か月後ころから地上部に病徴が発現し、以後収穫が終わるまで慢性的に発生し続ける。夏秋栽培で発生しやすい。

※8根腐萎凋病(J3):土壌病害で病原菌(糸状菌)が根から侵入して根腐れや維管束の褐変を起こす。発病は地温が15℃から20℃のときに激しく、晩秋から春にかけて発生する。慢性的にしおれ、下葉から黄化してやがて枯死する。

※9ToMV(トマトモザイクウイルス):
おもに葉にモザイク症状が現れ、ときに葉の先が細くなることもある。また、茎葉や果実に激しい壊疽(えそ)が生じる場合もある。接触伝染や土壌伝染するため、はさみや手袋などの消毒や土壌消毒を行う。ToMV抵抗性遺伝子にはTm-1とTm-2およびTm-2aがあり、植物体内でのウィルスの増殖や移行を阻害して発病を抑制する。台木品種がTm-2またはTm-2a型の場合、穂木品種がTm-1型や、ToMV感受性の品種は使えないので注意する。

※10抵抗性:抵抗性とは真性抵抗性ともいい、病害自体におかされない性質をいう。

※11すじ腐れ果:果皮部の維管束が壊死(えし)し、黒変や褐変した果実。

※12空洞果:果肉部がゼリー状物質で充満せずに果皮部と胎座部の間に空洞が生じた果実。

※13夏秋栽培:夏から秋にかけて収穫されるトマトの作型を夏秋栽培という。夏秋期に出荷されるトマトは、全国各地で栽培されており、特に北海道、青森、福島、群馬、岐阜などで栽培がさかん。作型は、2月中旬から5月にタネまきし、7月から10月を中心に収穫する栽培である。

※14抑制栽培:おもに5月中旬から7月上旬にかけてタネまきし、収穫期間は、無加温の場合7月から11月、加温の場合7月から2月までのトマトの作型。ハウスでのスイカ、メロン、キュウリ、トマトなどの後作として栽培が行われることが多い。産地は関東以南が中心で、特に茨城、千葉、熊本で栽培が多く、この3県で全国の約80%を占めている。

■参考1:「サカタ交配」台木トマトの特性と使い分け

◆促成、半促成栽培の褐色根腐病対策

品種名   特 性
フレンドシップ  褐色根腐病に対し、当社最強の耐病性台木。青枯病にも強度の耐病性を発揮。草勢は中程度で、管理しやすい台木。


◆夏秋、抑制栽培の青枯病対策

品種名  特 性
レシーブ 青枯病に対し、当社最強の耐病性台木。草勢は自根並み。
サポート 青枯病に強度の耐病性台木。草勢がやや強く、初期成育が早いので、特に初期に収量を上げたい場合に推奨。


◆全作型適応

品種名      特 性
ブロック 萎凋病レース3に抵抗性、青枯病と褐色根腐病に優れた耐病性の万能型台木。発病圃場はもとより、未発病圃場の予防としても適する。
マグネット 青枯病と褐色根腐病に優れた耐病性の台木。草勢が強くスタミナが後半まで維持できるため、特に収量を上げたい場合、2本仕立ての栽培に好適。


■参考2:サカタのタネ 台木トマト特性一覧表(当社試験比較)

品種名 抵抗性・耐病性の種類(Nは耐虫性) ToMV抵抗性遺伝子 草 勢
N F-1 F-2 F-3  J3  K
フレンドシップ  ◎   ○9 ○ 7 Tm-2a 型
レシーブ     ○9  Tm-2a 型 やや弱
サポート   ◎    ○ 8 Tm-2a 型 やや強
ブロック ○6  ○ 6 Tm-2a 型 やや強
マグネット    ◎ ○5 ○6  Tm-2a 型

 N:ネマトーダ F-1:萎凋病レース1 F-2:萎凋病レース2 F-3:萎凋病レース3
J3:根腐萎凋病 V:半身萎凋病 K:褐色根腐病 B:青枯病 
◎:抵抗性 ○:耐病性  耐病性の程度: 弱い1←→10強い
凡例:○ 9 …強い耐病性

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