サカタのタネ
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ニュースリリース|2010

2010年04月14日

 生育ぞろいが抜群によく、効率よく一斉収穫できる省力品種
キャベツF1品種『青琳(せいりん)』が「平成21年度 農林認定品種」に認定
民間の開発品種としては初の「農林認定品種」で、全国販売も開始

サカタのタネは、キャベツのF1新品種として、寒冷地の夏秋どり、温暖地・暖地の年内どりに好適な『青琳』(農林水産省品種登録出願名:SAKCAB001)を開発し、このたび同品種が「平成21年度 農林水産省 農林認定品種」に認定されました。

「農林認定品種」の認定は、農林水産省の委託などによって、独立行政法人、民間などにより育成、あるいは外国から導入された品種のなかで、特に品質、収量、耐病性などの特性が優良と認められるものを、農林水産省が認定し、公表することを目的に、かつてあった「命名登録制度※1」を改め、平成19年度から農林水産省が設けた制度です。『青琳』は、農林水産省の委託プロジェクト研究「ブランド・ニッポン※2」における「低コスト・省力型野菜開発チーム」の研究対象で、当社が委託を受け育成した品種です。秀品率や生育ぞろいが抜群によく、効率よく一斉収穫できることから認定品種に選ばれました。農林認定の前身の命名登録制度時代の「命名登録」を含め「農林認定品種」として、民間が開発した品種が認定されるのは『青琳』が初めてです。『青琳』は、汎用性に優れた平玉品種で、日本最大のキャベツ生産地・群馬県嬬恋村での試験生産でも高い評価を得たことから、当社品種の寒冷地の夏秋どりなどの作型におけるシェア拡大にも貢献するものと期待しています。これらのことを受け当社ではキャベツ『青琳』の種子を2010年6月1日から全国販売いたします。『青琳』の種子の販売は全国のJA・種苗店ルートを通じて行い、税込み希望小売価格は、2,000粒入り袋3,832円、ペレット種子5,000粒入り袋11,497円で、初年度販売目標額は1億円です。


 写真はキャベツのF1新品種『青琳』の青果物


キャベツ『青琳』(農林水産省品種登録出願名:SAKCAB001)が認定された「農林水産省 農林認定品種」は、農林水産省の委託などによって、全国各地の独立行政法人、都道府県の指定試験地、民間団体および大学により育成、あるいは外国から導入された農作物新品種のなかで、特に品質、収量、耐病性などの特性が優良と認められたものを、農林水産省が認定し、公表することを目的に、かつてあった「命名登録制度」を改め、平成19年度から農林水産省が設けた制度です。この制度により、毎年「農林水産省 農林認定品種」の認定が行われます。

『青琳』は、農林水産省の委託プロジェクト研究「ブランド・ニッポン」における「低コスト・省力型野菜開発チーム」の研究対象で、当社が委託を受け育成した品種です。青果物表面の凹凸が少なく、形のよい偏円の平玉で、秀品率が高く、玉ぞろいや生育のそろいが抜群によく、玉割れ(裂球)が遅いため、大面積の圃場においても一斉収穫により効率よく作業体系を組むことができます(表1:変動係数が低いほどそろいがよい)。このことが高く評価され認定品種に選ばれました。民間が開発した品種が「農林認定品種」となるのは、昭和4年から開始された農林認定の前身の命名登録制度時代の「命名登録」含め『青琳』が初めてです。

表1 静岡における一斉収穫時の収量特性(2003年11月)

品種名 球重 縦横比 収量(kg) 秀品率(%)
平均(g) 変動係数 平均 変動係数
青琳 1,534  19.6  1.7 4.6  53.6 97.2
対照品種 1,283  39.6  1.4 6.3 38.2 72.2

※収穫株数は36株。全収量は秀品(Lサイズ)のみを測定

ところで、一般家庭で消費されるキャベツの消費が低迷しているなか、カット野菜などで利用される業務用キャベツの需要が伸びています。1990年に加工・業務用に消費されたキャベツの割合が全体の46%であったのに対し、2005年には48%と増加傾向にあります(農林水産政策研究所推計)。近年、食品加工工場では、IS014001などの取得により従来の箱出荷ではなく、繰り返し使えるコンテナ(通い箱)での配送を要望するケースが増えてきております。一方でキャベツ栽培では、収穫が最も労力のかかる仕事であり、いかに一斉収穫による効率のよい作業体系を組めるかが生産農家にとっては最大の課題といえます。

『青琳』はそろいがよいことから一斉収穫でき、玉割れ(裂球)が遅く、在圃期間の長い特性をもつことから、生産者のスケジュールや、市場動向にあわせて出荷時期の調整もしやすい特長があります。また、機械収穫にも対応可能です。『青琳』の球内部は隙間なく詰まるので、重量感があり加工用に好適です。食用には適さない芯の部分が小さいので、個数ではなく重量で取引されることの多い加工用野菜としての歩留まりのよさも優れています。群馬県嬬恋村でのキャベツの形質調査を実施したところ、対照品種に比べ『青琳』がより重量がとれるという結果が得られました。

さらに『青琳』は外葉がコンパクトなため、従来、条間60cm×株間30cm(約5,500本/10a)程度が標準なのに対し、条間50cm×株間30cm程度(約6,600本/10a)の密植も可能です(作型・地域によって異なる)。
 
キャベツは、家庭の食卓や加工・業務用の野菜として欠かすことのできない重要な品目であり、国内で生産されている野菜のなかで、全国の作付面積は33,100ha、収穫量は138万9千t(トン)と、ジャガイモ、ダイコンに次いで第3位です。

現在、流通しているキャベツは大きく分類すると、球が堅くしまり偏平で、4~5月上旬を除き一年中出荷される「平玉」と、球のしまりが緩く柔らかくみずみずしい、本来は春に出荷の中心がある「春系」の大きく2つに分けられます。当社は、春系キャベツとして1965年に「金系201」を発売し、「金春(きんしゅん)」などの品種と合わせ、今でも千葉県銚子市と神奈川県三浦市の春系キャベツの大産地において高いシェアをもっています。

これに対し平玉キャベツでは、当社品種のシェアはこれまで高くありませんでしたが、平玉キャベツの『青琳』が、日本最大のキャベツ生産地である群馬県嬬恋村において2007年から実施されている試験生産でも高い評価を得たことから、当社品種の寒冷地の夏秋どり、特に8~10月どりの作型におけるシェア拡大にも貢献するものと期待しています(表2)。

表2 群馬県嬬恋村での形質調査結果(2004年9月)

  形  質
品種名 草姿 外葉の大きさ  葉色 球形 しまり 芯長(%) 球重(g)
青琳 半立性 濃青緑 偏円
スムーズ
よい 50 1,732
対照品種 開張 鮮緑 偏平
いびつ
やや
ゆるい
60 1,393

※芯長:球の縦断面で高さに対する芯の長さの割合

さらに、平玉キャベツは肉質がしっかりしていて日もちに優れ、扱いやすく、また歩留まりがよいことから、一般家庭の需要に加え、加工業務用の需要が高く日本国内のキャベツの消費量全体の半分以上を占める主要なキャベツです。特に近年増加する加工業務用の需要においては、一斉収穫による効率化が生産者に強く求められていることから、一般家庭需要も含め当社では『青琳』を大型産地向けの戦略品種として積極的に拡販していきます。
また、販売においては同品種が民間の開発品種として初の「農林水産省 農林認定品種」という点を積極的にアピールしていく予定です。

ちなみに『青琳』という品種名は、青果物の濃い青みと、「美しい玉」という意味をもつ「琳」という字から名づけました。

■キャベツのF1新品種『青琳』の概要

◆特 長
①中早生品種(定植後約70日)で生育のそろいが抜群によく、一斉収穫による効率のよい作業体系を組むことが可能。
②在圃性に優れるため、出荷調整がしやすい。
③表面の凹凸が少ない形のよい平玉で、秀品率が高く、収量性に富む。
④外葉がコンパクトで、密植栽培にも対応可能。
⑤萎黄病※3に抵抗性※4で、バーティシリウム萎凋病※5に強い。

◆適応性
 寒冷地の夏秋どり、特に8~10月どりに最適。温暖地・暖地の春まき初夏どりおよび夏まき年内どりにも適する。幅広い土壌適応性を示し、肥沃な黒ボク土でも外葉はコンパクトでよくそろい、水田裏作などの重い土でもしっかりと肥大する。

◆栽培のポイント
1.タネまき、育苗、定植
タネまきは地域に適した時期を守ること。春に無理な早まきをすると腰高球となることがある。また、夏まき年内どりの作型でタネまきが遅れると、低温のため結球がゆるくなる場合があるので注意する。

育苗については、温暖地~暖地・夏まきではタネまきが高温期のため、なるべく涼しい時間帯(朝か夕方)にタネまき・水やりを行い、子葉が展開するまでの期間は、日中にネットや新聞紙で遮光して温度が上がり過ぎないようにすると、発芽のそろいがよくなる。本葉が展開してからは水をやり過ぎないようにして、苗床の風通しをよくし、しっかりとした苗を育てるように心がける。徒長苗は立ち枯れの原因となるので注意する。

定植は、条間60cm×株間30cm(約5,500本/10a)程度を標準とする。外葉がコンパクトな品種なので、作型・地域によっても異なるが、条間50cm×株間30cm程度(約6,600本/10a)の密植も可能。老化苗での定植は活着遅れの原因となるので、苗がトレイから抜けるようになったら、根の先端が白いうちに(茶色くなる前に)定植し、定植後3~4日は圃場が極端に乾かないように注意する。

2.肥培管理
もともと外葉が小さめの品種だが、施肥量は一般的な品種に準じる。土質や気候によって異なるが、全成分量(元肥+追肥)で窒素:リン酸:カリ=20~30:10~25:20~30(Kg/10a)が目安。多肥栽培は腐敗の原因となることもあるので、適切な施肥量を守る。

3.病害虫防除
高温期栽培では、株腐病※6の対策が必要。多湿条件では発病の進展が早いので、圃場の排水をよくすることが重要で、予防として薬剤を散布する場合、結球期の直前から2~3回行うと効果的。

夏秋どりから年内どりにかけては、黒腐病※7の対策を心がけ、特に台風や大雨、大風の直後には茎葉にできた傷口から病原菌が進入し、圃場全面に発病することがある。

4.収穫
裂球が遅く、在圃期間の長い品種であり、出荷調整がしやすい特長がある。青果物は表面がスムーズな形のよい偏円で、玉ぞろいが抜群なので秀品率が高く、一斉収穫により、効率のよい作業体系を組むことが可能。結球はきれいで球内部が隙間なく詰まるので、重量感があり加工用にも適する。

※1 命名登録制度:
命名登録制度は、農業に関する試験および研究を行う独立行政法人などが育成し、または外国から導入した農作物の系統でその特性が優良なものにつき、農林水産省の新品種として決定し、もってその普及に資するために行う命名、登録および公表する制度。

※2 ブランド・ニッポン:
農水省の委託研究プロジェクトとして平成15~17年度にかけて実施され、新鮮でおいしい「ブランド・ニッポン」農作物を提供し、日本の食料自給率向上や、食の安全・安心確保を図ることを目的に行なわれた研究活動。

※3 萎黄病:
下葉から黄化し、生育が劣って株が小さくなり枯れる病害。根を切るとリング状に褐変し、内部に放射状の変色部が見られる。病原菌は土壌中に残り伝染。連作すると多発しやすく、気温の高い時期によく発病。

※4 抵抗性:
発病条件(温度、湿度、病原体の密度など)の影響を受けにくい安定したものに「抵抗性」という。それに比べ影響を受けやすいがその程度が軽く、収穫する上ではほとんど問題にならない性質を「耐病性」という。「抵抗性」としているものでも、発病条件やレ-ス分化などにより発病する可能性はある。

※5 バーティシリウム萎凋病:
 2種のバーティシリウム菌(V.longisporumおよびV.dahliae)による土壌伝染性病害。維管束部が侵され、葉が黄化、萎凋する。下位葉から発病し、激しい場合は枯死に至る。

※6 株腐病:
糸状菌の一種(Thanatephorus cucumeris)による病害。収穫期に結球側部から下部に病斑を生じ、結球全体に腐敗が広がる。

※7 黒腐病:
細菌の一種(Xanthomonas campestris pv. campestris)による病害。主に外葉の縁から黄変し、さらに葉脈が褐色になる。発病が激しい場合、結球葉にも被害がおよび、収量の低下を招く。

◆種子価格(税込み希望小売価格)
2,000粒入り袋     3,832円
ペレット種子5,000粒入り袋      11,497円

◆種子発売時期
2010年6月1日から販売開始

◆販売目標
初年度   1億円  (2010年6月~2011年5月の1年間)

◆作型図

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