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ニュースリリース|2010

2010年08月23日

これまで産地限定だったヒマワリF1品種「ビンセント」シリーズをいよいよ本格販売
『ビンセント オレンジ』『同 クリアオレンジ』の営利向け種子を発売
年間を通じてタネまきから55日前後で開花し、いつでも安定して高品質な切り花が出荷できる

サカタのタネは、ヒマワリのF1品種『ビンセント オレンジ』『同 クリアオレンジ』の営利向け種子の受注を2010年9月1日から本格的に開始します。『ビンセント』シリーズは、日長の影響をほとんど受けず、年間を通じてタネまきから55日前後で開花する日長中性品種※1のため、特に切り花需要の高い3~11月はもちろん、周年で安定した出荷ができます。花弁に丸みがあり、重ねがよく花弁数が多いのでボリューム感があり、花が上向きに咲くことからアレンジメントにも好適です。『ビンセント オレンジ』は花の中心部が濃黒色、『同 クリアオレンジ』は緑色で、花弁は両品種とも鮮やかなオレンジ色です。これまで『ビンセント』シリーズは、種子供給量に限りがあり産地限定で販売してきましたが、このたび、種子の供給体制が整ったことにより本格販売を開始します。『ビンセント オレンジ』と『同 クリアオレンジ』の種子は、全国のJA・種苗店ルートを通じて税込み希望小売価格は両品種とも1袋3,150円(1,000粒入り)で販売し、初年度販売目標額はシリーズ合計で4,000万円です。
 

写真はヒマワリ『ビンセント オレンジ』(左)と『同 クリアオレンジ』(右)

本来、ヒマワリは長日条件下で開花する習性があるため、切り花としての流通は夏に限定されていました。1969年に福岡県の中島礼一氏が短日開花性の品種「太陽」を育成したことで、周年での栽培ができるようになり、季節を問わずヒマワリが流通するようになりました。

一方、当社は1986年にヒマワリにおいて世界初となる切り花用の無花粉F1品種「かがやき」を育成しました。この品種は花粉が出ず種子がつきにくいことから、これまでの品種と比べて花もちが格段によくなり、当時「かがやき」は、切り花用ヒマワリの約50%(当社推定)のシェアを占めるまでになりました。同品種は短日開花性の性質も兼ね備えており、結果として市場に流通する短日開花性のヒマワリの割合を押し上げる要因になりました。

さらに、1990年代前半、「かがやき」よりも到花日数の短い品種が登場したため、当社のヒマワリのシェアは3%未満に低下し、以後その状況が長く続きました。この品種は花が咲くまでの日数が単に短いだけでなく、茎がかたく、草姿が小さく仕上がることから人気を博し、現在も広く流通しています。
しかし、このように「かがやき」も含む切り花用品種の多くは、特に短日条件下で開花する性質を強くしたため、長日期ではなかなか開花に至らず草丈が伸びすぎ、逆に極端な短日期では出荷に必要な草丈が確保できずに開花してしまうため、時期に応じたきめ細かい品種選定が必要でした。ほかにも、長日期には出荷を早めるため人工的に日長を短く設定する「短日処理」を行うなど、手間とコストがかかります。

このようなことから、生産者からは日長に左右されず採花できる新しい品種の登場が切望されていました。当社では、この課題を解決し、さらに優れた品種を開発すべく、20年以上の歳月を経て『ビンセント』シリーズを育成しました。

『ビンセント』シリーズは、日長に左右されない日長中性品種で、いつでもタネまき後55日前後で開花するため、長日期では草丈が伸びすぎることがなく、極端な短日期でも必要な草丈がとれることから、季節によって品種を替える必要がなく、周年で同一品種を使用できます。さらにいっせいに出芽するのでその後の成長もよくそろい、従来品種のように先に大きくなった株が成長の遅い株の生育を阻害することも減るため採花ロスを少なくすることができます。本品種は生育ぞろいがよいことから、これまで12cm間隔が限度だった切り花栽培において10cm間隔での密植栽培もできます。

また、一般的にヒマワリの営利栽培では、高温長日期に水やりを少なくして草丈が伸びすぎるのを防ぎますが、このことにより部分的に花弁が歯抜け状になる「欠弁」が生じることがあります。本品種は、花弁が丸いうえに幅が広く、花弁数も多いため重ねがよく、欠弁が発生しにくいことから花全体にボリューム感があります。さらに、止め葉(花のすぐ下の葉)が小さいため、花が葉に覆い隠されにくく、また花首が丈夫で採花後も花はしっかり上を向くため、立体的なアレンジメントにも使いやすいと流通小売関係者からも高く評価されています。

『ビンセント オレンジ』は、花弁(舌状花)のオレンジ色と中心部(筒状花)の濃黒色のコントラストが美しく、『同 クリアオレンジ』は、花弁(舌状花)がオレンジ色で、中心部(筒状花)の緑色が鮮やかな品種です。

これまで『ビンセント』シリーズは、種子供給量に限りがあり産地限定で販売してきましたが、このたび、種子生産、供給体制が整ったことにより、本格販売を開始することになりました。2008年からごく限られた産地で栽培されていますが、「発芽率がよい」「日長中性のため1年を通して必要な草丈で採花できる」「ボリューム感のある高品質の切り花が出荷できる」など高い評価を得ています。

ヒマワリは、ビタミンカラーの花色に健康的なイメージも加わり「父の日」向けの花として定着し、3~5年ほど前から生花店の店頭に並ぶようになっています。当社では『ビンセント』シリーズを、夏の定番の切り花である、ヒマワリの新たな市場を掘り起こす重要戦略品種として位置づけています。切り花用ヒマワリの種子市場は、世界で10億円以上と推定しており、その種子から栽培されるヒマワリの切り花市場価格は世界で数百億円規模の大きな市場です。今年から『ビンセントⓇ』シリーズの海外での試作も本格的に開始しており、今後は日本国内のみならず海外への販売も視野に入れていく予定です。

なお、『ビンセント』シリーズの品種名は、名画「ひまわり」の作者、ゴッホの本名“ビンセント・バン・ゴッホ(Vincent van Gogh)”にちなんで命名したものです。

※1 日長中性品種:
日長(一日の昼間の長さ)と花芽の形成が無関係な品種のこと。多くのヒマワリ品種は短日性(昼間が短いとき、正しくは夜間が長いときに花芽が形成される)で、一部長日性(昼間が長いときに花芽が形成される)品種もある。


■ヒマワリのF1品種『ビンセント オレンジ』『同 クリアオレンジ』の概要

◆ 特 長

①日長の影響をほとんど受けず、一年を通して55日前後で開花するため、年間を通して同一品種を作付けできる。
②出芽ぞろいがよく生育が旺盛で、秀品率が高く採花ロスも少ない。
③止め葉(花のすぐ下の葉)が小さいので、花が葉で覆い隠されることがない。
④花首が丈夫で花が上に向かって咲くため、アレンジメントに向いている。
⑤切り花用ヒマワリの需要最盛期である3~11月に高品質の切り花を容易に栽培できる。
⑥時期を問わず花弁数が多く重ねがよいので、ボリューム感がある。
⑦無花粉なので花もちがよく、周囲を汚さない。

◆ラインアップ

品種名 特 性
ビンセント® オレンジ  花弁(舌状花)のオレンジ色と中心部(筒状花)の濃黒色のコントラストが美しい。丸弁の花形で温かみがあり、近年増加傾向にある秋出荷にも好適。

ビンセント®
クリアオレンジ

花弁(舌状花)がオレンジ色で、中心部(筒状花)の緑色が鮮やかな品種。開花後、従来品種より中心部の咲き進みが遅く、花が長もちする。

◆栽培のポイント

1.栽培環境
施設栽培もしくは、夏季雨よけ、露地栽培。

2.管理のポイント
発芽適温は20~25℃。直根性のため移植は好まない。タネは十分に湿らせた場所に株間10~12cmとなるように直まきする。移植栽培する場合は、本葉展開直後の若苗定植とする。出芽のそろいがよく、十分な初期生育をさせるため、本葉の展開までは十分に灌水を行う。生育に伴い灌水量を減らしていく。

特に着蕾がみられてからは灌水を控えた栽培すると花もちがよく高品質な切り花がとれる。
栽培適温は20~30℃、5℃程度の低温にも耐えるが、できるだけ適温に近い栽培環境を保つ。施設栽培では天窓、サイドの換気に注意し、夏の高温期に温度を低くするよう心がける。

土のpHは6.5前後、肥料は前作の残効量を考慮し、EC※2 0.5以下を目安に元肥主体の施肥をする。樹勢は強いので、従来品種より肥料は少なめに施す。

花弁が着色し、開き始めたものを採花する。温度が低いときにはより開いたものを、高温期では開花の進んでいないかたい蕾を採花する。多湿条件では菌核病※3など病害が発生しやすくなるので注意する。育苗期が低温の場合、べと病※4が発生することがある。連作もできるが、菌核病やべと病など土壌伝染性の病害が増えた場合には土壌消毒をする。全栽培期間を通し、ダニ、スリップス、ハモグリバエの発生に注意する。

※2 EC:
電気伝導度(electrical conductivity)の略。肥料や有機物(種々の有機酸や肥料成分)が含有されているとその含有
量によって電流の流れる量は多くなることを利用した、肥料濃度を表す単位。

※3 菌核病:
花(頭花)の裏側や茎に褐色で水浸状の病斑を生じ、やがて軟化腐敗する。春と秋に発生が多く、被害植物に形成されたネズミのふん状の黒い菌核が土壌中に残り伝染源となる。病原は糸状菌(かび)の一種(Sclerotinia sclerotiorum)で、マメ類やキャベツなど多くの作物に被害を及ぼす。

※4 べと病:
葉に主脈を中心とした黄緑色の病斑を生じ、症状が激しいと株が萎縮して丈が取れなくなる。病斑上に白色のかびを生じることもある。育苗期が冷涼で、土壌中の水分が多いと発生しやすい。被害植物が土壌中に残り伝染源となる。病原は糸状菌(かび)の一種(Plasmopara halstedii)。

◆種子価格(税込み希望小売価格)

『ビンセントオレンジ』『同 クリアオレンジ』ともフィルムコート種子1袋3,150円(1,000粒入り) 

※営利以外の一般向け種子の発売は未定

 
◆種子発売時期

2010年9月1日から全国のJA・種苗店を通じ受注開始
2010年12月中旬から順次出荷

◆販売目標

『ビンセント』シリーズ合計で
初年度4,000万円(2010年12月~2011年11月の1年間)

◆作型図 
 


 

ヒマワリ『ビンセント』シリーズのロゴマーク

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