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ニュースリリース|2010

2010年11月24日

透水性、保水性、通気性のバランスがよく、作業性に優れる高機能資材
生産者向け播種用培養土『ファンクション』シリーズを開発
第1弾としてセル成型苗※1用に特化した葉物用の播種用培養土「ファンクション FN-100」「同 FN-200」を発売

サカタのタネは、原料とその配合バランスにこだわった生産者向け播種用培養土『ファンクション』シリーズを開発し、このたびセル成型苗用に特化した培養土『ファンクション FN-100』『同 FN-200』の2商品を2010年12月1日に発売します。『ファンクション』シリーズは、透水性・通気性のよいココピート※2、保水性に優れる数種類のピートモス※3、肥料のもちをよくするゼオライト、さらに速効性と緩効性の肥料などを配合しています。粒がくずれにくく機械でも均等に充填でき、水分量が適正なため根鉢が充実し植え替え時の作業性にも優れます。今回発売する2商品は、いずれも葉物用で、成分量が異なるため季節に応じて使い分けることができます。『ファンクション FN-100』『同 FN-200』は、各1袋40L※4(約11㎏)入りで、全国の種苗店、農業用資材販売店を通じてオープン価格で販売します。なお、初年度販売目標金額は5,000万円で、今後も順次ラインアップを充実させ、3年後にはシリーズ全体で年間2億円の売上を目標としています。


 
写真は『ファンクション FN-200』のパッケージと内容物(右下)


当社では、生産者向けの播種用や育苗用の培養土として、多くの作物に適用する「パロット」と、高品質のピートモスを主原料とした「苗当番」の2シリーズを販売しています。これらは、ほかの用土や肥料と混ぜ合わせたり、培養土として単体で使用するなど、用途によって細かく使い分けできることからいずれも人気の高いシリーズです。しかしながら、セル成型苗用に用いるにはこれらの商品は、高品質のピートモスを主体にしていることから、かえって原料どうしが絡んでかたまりやすく、セル成型トレイに詰めにくいといった問題が生じることがあります。当社の播種用や育苗用の培養土は、そのことを除けばいずれも高品質で安定した品質であることからご愛顧いただいておりますが、セル成型トレイでの育苗を行う際には当社培養土とほかの資材とを組み合わせて使われることが多くなっています。培養土の混合は、手間だけでなく、肥料がかたより生育にバラつきが出ることなどから、単体でそのまま使える培養土の開発が求められていました。

また、セル成型苗用の播種用培養土は、苗の植え替えが前提となっているため、セル成型トレイから苗を抜き取りやすいよう、しっかりと根鉢を形成できるものが求められています。健全な根鉢の形成には、健全な植物体の成長が不可欠です。そのためには透水性、通気性、保水性のバランス、そして育苗中に養分が継続的に溶出されることがポイントになります。『ファンクション』シリーズは、透水性や通気性を保つココピートに、保水性に優れる数種類のピートモス、通気性を発揮する高品質のパーライトやバーミキュライト、そして、約1か月間肥料が継続的に溶出されるためにCEC(陽イオン交換容量)※5が高く肥料のもちがよくなる硬質のゼオライト、速効性と緩効性の肥料成分などを配合し調整しています。

これらの原料とその配合バランスにより、同シリーズには土壌の物理的構造として最も重要とされる「団粒構造」と同様の機能性をもっています。団粒構造とは、土の粒子(単粒)が有機物などと絡み互いにくっつき合い小さなかたまり(団粒)となり、それらが集まった状態をいいます。団粒そのものには保水性のある微細な毛管孔隙が形成され、肥料成分など養分も保持されます。さらに団粒と団粒の間に形成された大きな隙間は、空気や水の通り道となり通気性、排水性を富ませる効果があります。これにより根の生育に欠かせない空気の入れかえや水の通りや保持が適度に行われ、土壌有用微生物の繁殖や活動を活発にするなど、土が団粒構造になることにより、植物の生育はたいへん良好になります。

下の写真は『ファンクション』シリーズと、従来の培養土の生育状態の比較です。播種後24日の苗をセルトレイから抜き取ったものです。従来の培養土は、根があまり張っていないのに対して、『ファンクション』シリーズは、根が容器の底部分まで伸長し根全体が鉢の形になっており(根鉢)、地上部と根鉢がバランスよく生育しています。


 
左:『ファンクション FN-200』、右:従来の培養土


また、肥料の溶出実験では下のグラフのように『ファンクション』シリーズは肥料の溶出速度が遅く、測定開始3日目以降のEC※6値は従来品を常に上回っており、肥効のよさが実証されています。
 


初期肥料溶出曲線


※ 実験方法:
①土壌中の水分率を60%に合わせる。②9cmのポリポットに土(約300ml)を詰め、蒸留水を200ml加える。③1時間放置し、ポットから溶出した水は廃棄する。④蒸留水を100ml加えて、ポット下部から溶出する水を1時間後に採取する。⑤採取した溶出水のECを測定する。
※④と⑤を繰り返す。
※ 肥効は栽培条件により異なる。

セル成型苗用の播種用培養土の主原料として一般的なピートモスは、乾燥すると水をはじく性質があるため、現在流通している商品のなかには、あらかじめ培養土と水をよく混ぜ合わせてからトレイに充填させるという、手間のかかる商品もあります。一方、『ファンクション』シリーズは、透水性がよいため、開封後すぐに使用でき、また、粒がくずれにくく粉々にならないので自動土詰機などの機械でも均等に充填することが可能です。このように、『ファンクション』シリーズは、その名のとおり機能性に優れた次世代の培養土です。

今回発売する『ファンクション FN-100』と『同 FN-200』は、いずれもセル成型苗用に特化した播種用培養土でレタス、ハクサイ、ブロッコリーなどの葉物用となっています。窒素100 mg/L、リン酸350 mg/L、カリ150 mg/Lの『ファンクション FN-100』は、育苗期間の短い夏場の育苗に、窒素200 mg/L、リン酸700 mg/L、カリ300 mg/Lの『同 FN-200』は、育苗期間の長い冬場に適しており、苗生産の時期に応じて選ぶことができます。

今後『ファンクション』シリーズに、長期育苗用(ネギ用)の播種用培養土など、次々と新商品を投入していく予定です。同シリーズを当社オリジナル培養土の主力商材にすべく積極的に拡販していき、3年後には、シリーズ全体で年間2億円の売上を目標としています。

■ 『ファンクション FN-100』『同 FN-200』の概要

◆商品特長
①原料とその配合バランスにより、団粒構造の土壌と同様の機能性をもつため、根の生育に欠かせない、空気の入れかえや水の通りや保持が適度に行われ、土壌有用微生物の繁殖や活動を活発にするなど、植物の生育に関して極めて良好な培養土の構造を実現する。
②透水性に優れるため、セル成型トレイに充填後、水がスムーズに浸透する。
③粒がくずれにくく粉々にならないので、自動土詰機などの機械でも均等に充填できる。
④根回りがよいので苗が抜きやすく、作業性に優れる。

◆原料について

おもな原料 おもな機能
ココピート 透水性・通気性
ピートモス 保水性・保肥力・通気性
ゼオライト 保肥力
バーミキュライト 通気性・保水性
パーライト  保水性

◆商品仕様

重量/
(充填時)

商 品 名  『ファンクション FN-100 』  『ファンクション FN-200 』
適応作物  葉物全般
用途 播種用
容量/(充填時) 40L
重量/(充填時) 約11kg
設 計
成分量
(充填時) 
窒素 100㎎/L 200㎎/L
リン酸 350mg/L 700mg/L
カ リ 150mg/L 300mg/L

※出荷単位は60袋/1パレット
※使用上の注意:乾燥すると含水量が低下するので、開封後は速やかに使用すること。
※1袋でセルトレイ約10枚分(128~200穴の場合)。

◆発売時期・販売ルート・価格

2010年12月1日から、全国の種苗店・農業用資材販売店を通じてオープン価格で販売。

※ 一般家庭向けの販売は未定。  

◆販売目標

5,000万円(2010年12月~2011年11月期の1か年)、3年後は2億円(2013年12月~2014年11月期の1か年)

※1 セル成型苗:
角柱状・円柱状の小さな鉢型の穴が空けられた、育苗するための樹脂製トレイをセルトレイといい、栽培する植物の種類に応じて72穴、128穴、200穴、512穴などさまざまな仕様があり、育苗日数や苗の大きさに対応できる。セルトレイで栽培した苗を、セル成型苗という。セル育苗は、土詰め、播種、覆土、発芽、灌水、植え替えなど一連の作業を自動化することができるため、現在、広く用いられている方法である。

※2 ココピート:
ココヤシ果実の殻の繊維質からできたもの。ココヤシの繊維は高温下でも分解やへたりが少なく、数年間は土壌中に繊維として残る。この繊維が土壌中の団粒構造を形成することにより、気相(空気の層)が保たれ根の生育が向上する。植物栽培に適した弱酸性に保ち、簡単に生育コントロールができる。有限資源であるピートモスの代替資材として注目されている。

※3 ピートモス
湿地において、植物の残がいが永年にわたり堆積したものがピートで、特にミズゴケでできたものをピートモスと呼ぶ。年間1mm程度の割合で堆積し、3mから10m程度の層を形成する。ピートを形成するおもな植物は湿地に生息するミズゴケで、ピートモスの分布は北ドイツ、カナダ、アイルランド、北ヨーロッパ、ロシアなどである。特に、雨水のみがすべての植物の生育を支えている湿地高原地帯では、過酷な環境下でミズゴケしか生息できないため、他の植物が混ざらないミズゴケだけの均一した堆積層が形成される。そのため、湿地高原地帯で採取されるピートモスは農・園芸用には第一級の培養土とされる。

※4:製造時充填容量。

※5 CEC:
陽イオン交換容量(cation exchange capacity)の略。養分保持力の目安。CECが高い土壌ほど、養分の保持力が大きい。

※6 EC:
電気伝導度(electrical conductivity)の略。肥料や有機物(種々の有機酸や肥料成分)が含有されているとその含有量によって電流の流れる量は多くなることを利用した、肥料濃度を表す単位。

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