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ニュースリリース|2011

2011年08月22日

 サッカー場やゴルフ場で一年中緑の芝生※1を保つ「ウインターオーバーシーディング※2工法」に好適 
寒地型シバ※3、4種子『オーバーラップ』を発売
3品種を絶妙なバランスでブレンドし暖地型シバ※5へのスムーズな切り替えを実現

サカタのタネは、競技場やゴルフ場で冬でも緑の芝生を保つ 「ウインターオーバーシーディング工法」に好適な寒地型シバ種子『オーバーラップ』を発売します。『オーバーラップ』は、日本の厳しい気象条件に対応できるウインターオーバーシーディング工法用のシバ(ペレニアルライグラス)3品種を選定し栽培試験を重ねて配合比率を好適化した、当社オリジナルブレンドの商品です。『オーバーラップ』は、発芽・初期生育が早く、葉色は鮮やかな緑で葉は細く、均一性に優れています。秋に播種することで暖地型シバからスムーズに寒地型シバの『オーバーラップ』に切り替えができ、一年をとおして緑の芝生を保てます。宮城県以西から九州まで幅広いエリアに対応できるウインターオーバーシーディング工法用のシバとして、サッカーやラグビーなどの競技場やゴルフ場など高品質の芝生が求められる施設に向く商品です。寒地型シバ種子『オーバーラップ』は、全国の競技場やゴルフ場、および管理会社、地区代理店向けに9月5日から受注を開始し、9月中旬から順次出荷します。1袋22.68kg(50ポンド)入りで、税込み希望小売価格は、23,814円です。


 写真は寒地型シバ種子『オーバーラップ』のパッケージ

近年、宮城県以西のサッカースタジアムやラグビー場などで、芝生が一年中美しい緑を保っているのは、ウインターオーバーシーディング工法という技術によるものです。この技術は、暖地型シバをベースとして、冬期は寒地型シバで緑を保つもので、近年では、都市の校庭緑化でもこの技術を使って芝生を管理するケースが増加しています。特にJリーグのスタジアム検査要項では、1993年の発足以来、芝生を一年中緑に保つことが義務づけられているので、宮城県以西のJクラブのホームスタジアムではこの技術が主流となっています。

しかし、地球環境の変化で日本の気象状況は年々激しくなり、酷暑やゲリラ豪雨、それに日照不足といった異常気象が頻発しています。このような状況のなか、ウインターオーバーシーディング工法においても、暖地型シバの上から秋に播種する寒地型シバが耐暑性の弱い単一品種である場合は、暖地型シバの萌芽前に寒地型シバが完全に枯死し、一時的に緑を保つことができなくなります。逆に耐暑性の強い単一品種を利用した場合は、暖地型シバの萌芽後も寒地型シバが残り、暖地型シバの生育に悪影響を与えます。また国外で複数品種を混合した商品では、年によって品種の配合バランスが変わってしまうこともあり、一年をとおして途切れることなく美しい緑の芝生を維持することが課題とされてきました。

当社は、1934年に造園事業部門である庭園部(現・造園緑花部)を発足して以来、長年にわたりシバ種子を取り扱っており、現在では販売だけでなく、横浜市の「日産スタジアム」「保土ヶ谷公園サッカー場」をはじめ数多くの競技場の芝生の造成や管理、ゴルフ場の芝生の造成を行っています。上述の課題を克服するために当社では、ウインターオーバーシーディング工法向けの寒地型シバのなかでも、より日本の環境に向く品種を新たに選定し、特性の異なる品種を複数ブレンドすることでさまざまな条件に対応できる商品の開発に着手しました。その蓄積された実地のノウハウをもとに、発芽や初期生育が早く、葉色は鮮やかな緑色で耐寒性があり、ターフ形成期間※6が短く扱いやすいウインターオーバーシーディング工法に向く寒地型の草種「ペレニアルライグラス」に注目しました。

『オーバーラップ』は、数あるペレニアルライグラスのなかでも、特に日本の気候や土壌特性に向く品種から、トランジションタイプ(寒地型シバから暖地型シバへの切り替えがスムーズにできる耐暑性が弱いタイプ)2品種と、パーマネントタイプ(ペレニアルライグラスとしては比較的暑さに強く、寒地、寒冷地の通年利用も可能なタイプ)1品種を採用しています。そしてこの3品種のブレンド比率を決めるために、当社では試験圃場やプロのサッカー選手も使用する練習グラウンドにおいて栽培試験を行いました。さらに、その結果をフィードバックしながら、競技場やゴルフ場の見た目を大きく左右する葉色の濃緑度や寒地型シバから暖地型シバへとスムーズに切り替わるかどうかのトランジションのスピードなども考慮し試験を重ねることで、スポーツターフに好適なブレンド比率を導き出しました。

これにより『オーバーラップ』は、気候変動にも強く、鮮やかな葉色により冬期でも美しい緑の芝生の状態を保ち、また日本の厳しい気象条件においても寒地型シバから暖地型シバへスムーズに切り替えできる高品質な、ウインターオーバーシーディング工法に好適なシバ種子となっています。

当社オリジナルブレンドの種子を、この分野の大手種苗会社であるバレンブルグUSA 社(本社:米国オレゴン州タンジェント市)から輸入し、販売します。

なお、商品名の『オーバーラップ』は、サッカー用語で後方の選手が前方の選手を追い越して前線へ駆け上がる攻撃スタイルの意味と、暖地型シバに寒地型シバが重なり合うことからイメージして命名したものです。

■寒地型シバ種子『オーバーラップ』の概要

◆特 長
①冬期でもサッカーやラグビーなどの競技場やゴルフ場での芝生の緑を保つ管理技術「ウインターオーバーシーディング工法」に好適な寒地型シバ種子。
②ウインターオーバーシーディング向けのペレニアルライグラスのなかでも、日本の環境に向く品種を選定し、トランジションタイプ2品種に、やや耐暑性のあるパーマネントタイプ1品種をブレンド。寒地型シバから暖地型シバへのスムーズな切り替わりを実現する。
③発芽・初期生育が早く、葉色が鮮やかな緑で葉は細く、均一性に優れる。
※エンドファイト※7活性があるため、飼料用としては使用できません。

◆種子価格(税込み希望小売価格)
1袋22.68kg(50ポンド)入り 税込み希望小売価格23,814円

◆発売時期
2011年9月5日から受注開始、9月中旬から順次出荷

◆販売先
全国の競技場やゴルフ場および管理会社、地区代理店
※趣味園芸向けの販売は未定

※1 芝生:
イネ科植物や、それに類似する特徴をもつ植物群がある程度の広がりをもって地表面を被覆した状態、およびその土壌表面そのものの呼称。    

※2 ウインターオーバーシーディング:
日本では宮城県以西で行われる芝草管理技術の一つ。暖地型と寒地型シバの特性を利用し一年をとおして緑の芝生を維持する。永年生の暖地型シバでグランドのベースをつくり、これが休眠に向かう秋に寒地型シバを播種。秋から春にかけては寒地型シバで緑を維持する。寒地型シバが衰退する春から夏にかけて、ベースとなっている暖地型シバの萌芽を促し、夏から秋にかけては再び暖地型シバで緑を維持する。このサイクルを毎年繰り返すため、寒地型シバの種子需要は毎年秋に発生する。

※3 寒地型シバ(芝草):
ペレニアルライグラス、ベントグラスなどに代表される芝草の一般的グループ名。日本では寒地および一部の寒冷地を除き、冬期の休眠は行わず、秋から春にかけても緑を保つ。しかし、温暖地では夏期の暑さで枯死することも多い。

※4 シバ(芝草):
芝生を構成する植物の一般名称。通常は繊細なイネ科植物をさす。

※5 暖地型シバ(芝草):
バーミューダグラスや日本芝(ノシバ、コウライシバなど)の一般的グループ名。日本では春から秋にかけてが活動期で、地上部が緑となる。冬期は地上部が枯れて黄色くなり休眠する。種類によっては寒地・寒冷地では栽培不可能。

※6 ターフ形成期間:
ターフとは通常は芝生のことを表し、ターフ形成期間とは播種から芝生になるまでの期間を表す。

※7 エンドファイト:
一般にイネ科植物の体内に寄生する真菌(カビ)のことをいう。種子内に寄生しており、発芽と同時に植物体内に菌糸を伸ばし、種々の生理活性物質を産生する。これらの働きによって、エンドファイトに感染したイネ科植物は、病害虫や環境ストレスへの耐性が上がる。また、シバの場合はエンドファイトによる植物体への悪影響は見られない。そのため、一般的にシバ種子はエンドファイト活性があるもののほうが商品価値は高い。エンドファイトが産生する生理活性物質は、家畜の成育に悪影響を及ぼすことがあるので、種子または植物体を家畜に給餌することは避けなければならない。


 

ウインターオーバーシーディング模式図 

『オーバーラップ』にブレンドされているペレニアルライグラス3品種の栽培試験の様子
(サカタのタネ 掛川総合研究センター長後分場にて・2011年7月11日撮影)

 


寒地型シバ『オーバーラップ』の種子

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