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ニュースリリース|2012

2012年12月12日

これまでのプリムラの常識を覆す、画期的なプリムラが登場
極早生プリムラのF1新シリーズ『アプリ』を開発、10品種を発売
F1品種のため、高発芽で品質不良苗が極めて少ないことで出荷ロスを低減、生産性が大きく向上

サカタのタネは、極早生プリムラのF1新シリーズ『アプリ』を開発し、10品種の生産者向けの種子と苗を発売します。現在流通しているプリムラの多くは固定種※1のため、発芽しにくいうえに草姿を乱す株元からの分枝が発生しやすいなど、株ごとに品質のばらつきが出るという問題点があります。発芽や品質の不良が出荷ロスにつながり、プリムラが高値で取り引きされにくくなった現在においてそれが経営を圧迫する大きな要因となっています。そのことから、出荷ロスが少なく、高品質な花苗を安定して出荷できる品種の登場が求められてきました。『アプリ』シリーズは、F1品種のため高発芽で生育ぞろいがよく、高品質な苗を安定して出荷できます。また、株の中心に花が咲く「センターフラワリング」の性質に優れ、ドーム状に美しく花を咲かせます。『アプリ』シリーズは、種苗店、JAなどを通じて2013年1月7日から受注を開始し、種子は2013年3月中旬、プラントップ※2は同年7月中旬から順次発送します。税込み希望小売価格は、各品種とも種子が1袋1,000粒入り3,990円、プラントップ苗は406穴セルトレー8,379円(380本保証)です。なお、100周年記念品種のためプラントップ苗は2013年4月受注分まで特別価格7,182円で販売します。3年後の売上目標金額は年間3,000万円です。

写真はプリムラ「アプリ」シリーズ 


現在プリムラは、花壇あるいは鉢物用として世界中で栽培されています。日本国内におけるプリムラの年間出荷量は、苗物としてはパンジー、ペチュニアに次ぐ第3位で、約800万ポットが出荷されています※3。プリムラには、ポリアンサ、ジュリアン、マラコイデス、オブコニカなどの園芸種があります。ポリアンサは、プリムラ属内のプリムラ節の種(しゅ)である、プリムラ ブルガリス(Primura vulgaris(=P.acaulis))、同 ベリス(P.veris)、同 エラチオール(P.elatior)を相互に交配して作出された園芸種です。ポリアンサはさらに草姿や性質から分類でき、花茎が立って大輪の花を咲かす「エラチオール(ポリアンサ)タイプ」、花茎が伸びず、葉の間から花梗(かこう)をたくさん出してその先々に花をつける「アコーリスタイプ」、当社がベリスを再交配して作出した、花茎が立って小輪の花をつける「ベリスタイプ」などがあります。また、1968 年に当社が世界にさきがけて発表した、小輪で花が密集して咲く「ジュリアン ハイブリッド」は、ポリアンサにジュリア節のジュリアエ(P.juliae)を交配したもので、それ以降同様のタイプは「ジュリアンタイプ」として区分されるようになりました(図1)。「ジュリアンタイプ」と「アコーリスタイプ」は、市場出荷の段階では区分があいまいになってきています。現在国内では、葉が小さくコンパクトなサイズで出荷されるプリムラを総称して「ジュリアンタイプ」と呼ぶこともあります。

 
図1 プリムラの園芸種ポリアンサとその仲間の分類

プリムラの名は、ラテン語のprimus(最初の)に由来します。その名の由来のとおり、春最初に咲く花として古くから親しまれてきました。50年ほど前は春の花として12月中旬から3月ごろにかけてがプリムラの出荷時期でした。ところが、早く花を見たいという消費者ニーズの高まりと、それに応えた品種開発、生産技術の進歩により、出荷時期は徐々に早まり、現在国内では10月から出荷できる極早生性の品種が主流となっています。

今回発売する『アプリ』シリーズは、アコーリスタイプの極早生F1品種です。プリムラ生産における最大の問題は、以前のように高値での取り引きが少なく、生産者が利益を得づらくなったことです。アコーリスタイプの極早生プリムラ品種は、現在にいたるまで固定種が中心です。固定種はF1品種とは異なり、開花や草姿にばらつきが出やすい特徴があります。そのため、出荷のたびにそのつど、生育度合いのそろったポットを選び出す必要があります。株元に分枝が発生しやすく、本来花がつく中心部分に葉が出てきてしまい、それを取り除く作業も必要となります。加えて、咲き進むにつれて草姿が乱れてしまうことも多く、管理にも大変な手間がかかり、草姿乱れがひどい苗や生育不良で出荷基準に満たない苗は廃棄処分にしなければなりません。さらに、固定種は発芽が悪いという問題もあります。この品質や発芽の不良が出荷ロスにつながり、プリムラが高値で取引されにくくなった現在において経営を圧迫する大きな要因となっています。

このような問題に対し当社は「高発芽で、高品質な極早生F1品種の開発」を育種目標に掲げ、研究開発に取り組んできました。各色を合わせてシリーズ全体での一斉出荷を実現するため、品種間の草姿や開花習性をそろえなければなりません。異なる親同士のかけ合わせでつくるF1品種の場合、シリーズとしての特性をすべての品種でそろえることは難しく、開発までに10年以上の歳月を費やしました。また、『アプリ』シリーズは、その開発段階で高発芽系統の親の選抜に注力し、それらを組み合わせることで、これまでにない高発芽率を実現しています(表)。さらに、花弁や葉が厚くしっかりしていて草姿を乱す株元からの分枝が出にくく、株の中心に花が咲く「センターフラワリング」の性質にも大変優れ、花径5㎝程度の花がドーム状に次々と咲きます(図2)。

表 『アプリ』シリーズと従来の極早生シリーズの発芽率と発芽勢の比較
(当社 掛川総合研究センターにて試験)

シリーズ名 発芽率 発芽勢
『アプリ』シリーズ  87.9% 76.2%
極早生シリーズA 77.9% 64.8%
極早生シリーズB 70.7% 61.6%

※ 発芽率は播種後14日目、発芽率は18日目に、それぞれ子葉が展開した苗をカウントしたもの。
※ 『アプリ』シリーズは全10品種、シリーズAは7品種、シリーズBは12品種の平均から算出。

 

図2 従来品種(左)と『アプリ ゴールデンシェード』(右)
(2012年11月1日、埼玉県鴻巣市)

今回の発売に先立ち、プリムラの大産地である埼玉の生産者に試作していただいたところ「色ごとのそろいがよい」「次々と花が咲いてドーム状になる」「固定種中心の多くの従来品種と比べ、株のできあがりが早いので、早期出荷に対応できる」「葉は厚く枚数が多い」といった高い評価をいただいています。

『アプリ』シリーズは、10種類の花色をラインアップしています。今後も順次花色を追加していき、シリーズを充実していく予定です。同シリーズは、パンジー、ガーデンシクラメン、アリッサムなどとともに、クリスマスや正月のシーズンに使えることから、複数の品目の花材を組み合わせた寄せ植えや花壇植え、リースなどに好適です。なお、シリーズ名の『アプリ』は、極早生の意味をもつ「アーリー」と、「プリムラ」の頭文字を組み合わせて命名したものです。

当社では、個性的で魅力のある高品質な品種の作出に取り組むと同時に、『アプリ』シリーズのように、生産者の負担の軽減、経営環境の改善につながる育種にも積極的に挑戦し続けていきます。当社は『アプリ』シリーズを100周年記念品種に位置づけています。同シリーズを積極的に拡販することで、ほかの品目にはない明るい花色と寒さに強い花材として消費者の皆さまに初冬から初春を鮮やかに彩るプリムラの魅力を再発見していただくとともに、花市場の活性化を図っていきます。

■プリムラ『アプリ』シリーズの概要

◆特 徴

① 極早生、アコーリスタイプのF1品種。
② F1品種のため、高発芽で生育ぞろいがよく、草姿を乱す株元からの分枝が発生するなどの品質不良苗が極めて少ないため、高品質の苗を安定して供給できる。
③ 株の中心に花が咲く「センターフラワリング」の性質に優れ、花径5cm程度の花がドーム状につく。
④ 花弁や葉が厚くしっかりしている。

◆ラインアップ  (10品種)

品種名  花 色
アプリ スカーレット  発色のよい鮮やかな真紅色
アプリ バーガンディー  濃く深みのあるワインカラー
アプリ ローズシェード  ローズからピンクまで幅のある花色
アプリ ブルー  鮮やかな青紫色
アプリ ゴールデンシェード  黄色の濃淡の幅のある花色
アプリ イエロー  鮮やかな黄色
アプリ ホワイト  中心に鮮やかな黄色が入る乳白色
アプリ バーガンディーバイカラー  中心から黄色、純白、ワインカラーが入る花色
アプリ ローズバイカラー  中心から黄色、純白、ローズが入る花色
アプリ ライトピンクローズアイ  中心から黄色、ローズ、ライトピンクが入る花色

◆栽培のポイント

①セルトレーにタネまき用の培養土を充填しタネをまく。出芽するまで乾かさないように注意する。発芽適温は20℃前後。高温時は発芽室での催芽が理想。播種後7日程度で出芽する。
②過湿に注意し、徒長や立枯病を防ぐ。
③高温期には、寒冷紗をかける、ファンを回す、苗の表面をミストするなどして、涼しくするとよい。高温期にポットへ定植することは避ける。
④育苗期間中は肥料分が多くなりすぎないようにコントロールし、株が大柄になるのを防ぐ。
⑤風通しのよい環境で管理し、徒長を防ぐ。
⑥コナジラミ、スリップス、ダニ、ヨトウムシなどが発生することがあるので、防除する。
⑦灰色かび病にかかりやすいので、適宜防除を行う。
⑧底面吸水などで、花弁に水がかからないように灌水するのが理想。

◆作型図

 
※山上げ※4期間や出荷時期は生産者の判断や生育状況により変動します。
※生産者の方が出荷するための作型図です。

◆販売ルート
 
全国の種苗店、JAを通じて生産者に販売

◆受注開始時期

種子、プラントップ苗ともに2013年1月7日から

◆販売価格(税込み希望小売価格)および出荷開始時期  

種子   1,000粒        3,990円
(2013年3月中旬から順次出荷開始)
 プラントップ苗  406穴セルトレー(380本保証)8,379円
※100周年記念キャンペーンのため2013年4月受注分までは特別価格7,182円
(2013年7月中旬から順次出荷開始)

※営利以外の一般向け種子、苗の販売は未定

◆花苗出荷開始

生産者による市場への花苗出荷は、2013年10月から順次開始される見込み。

◆販売目標(種子と苗合計)   

『アプリ』シリーズ全体(10品種)で初年度500万円(2013年1月~12月期の1か年)、
3年後は年間3,000万円。

※1 固定種:
親の代から子の代へと世代が移行しても遺伝的に固定している品種のこと。

※2 プラントップ苗:
育苗用セル成型培養土「プレフォーマⓇ*・プラントプラグ」(以下「プラントプラグ」)を使用した花と野菜の生産者向け苗。「プラントプラグ」は、ピートモスとココヤシ繊維を混合した培養土をトレー内で固化・成型させたもの。①トレーからの抜き取りが簡単で、移植作業の大幅な省力化が可能②根づまりが起こりにくく、根の活力がたいへん旺盛なため、スムーズな活着、健全な生育を実現③若苗での移植ができ、苗本来のパフォーマンスを最大限に引き出せる―などの特長がある。
* 「プレフォーマ」はジフィー プロダクツ インターナショナル社の登録商標です。

※3 :財団法人日本花普及センター「2009年における花き品種別流通動向分析調査 苗物 品目別流通調査」から

※4 山上げ:
暖地、温暖地では、夏場気温が上がり耐えられないことから高冷地に移して冷涼な気候のもと育苗を行うこと。なお、高冷地から暖地、温暖地に戻すことを山下げという。

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