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ニュースリリース|2013

2013年04月24日

トマトの生産現場を一変させる画期的商品が登場
トマトの2本仕立て接ぎ木※1苗『ツートップ苗』を発売
従来の2本仕立て苗と比べ栽培管理がしやすく、収量性が高い

サカタのタネは、トマトの2本仕立て接ぎ木苗『ツートップ苗』を発売します。トマトの仕立て方は、主茎のみを育てる「1本仕立て」が一般的ですが、苗代や労力の削減のため、主茎と側枝、あるいは主茎を摘芯して側枝を2本伸ばして作る「2本仕立て」が近年普及しつつあります。2本の側枝を伸ばす『ツートップ苗』は、両側枝の生育がよくそろい栽培管理がしやすく、高品質な青果を安定生産できる接ぎ木苗です。1本仕立て接ぎ木苗を購入した場合と比べ、全作業時間の約4.5%を削減できます※2。同商品は当社独自の生産方法(特許出願中)により、2本仕立て苗としてはこれまでにない小さなサイズで出荷できるため、1株当たりの苗代や輸送費を大幅に軽減できます。このように『ツートップ苗』は、トマトの生産現場を一変させる画期的な商品です。販売は受注生産方式で行い、当社のトマト、ミニトマトの主要品種で対応します。全国の種苗店、JAなどを通じ、2013年5月1日に受注を開始し、7月上旬から発送します。「プラントプラグ※3標準仕様で、規格は72穴(70本保証)、128穴(125本保証)です。価格は品種により異なります。同商品の3年後の売上目標は年間2億円です。

写真はトマトの2本仕立て接ぎ木苗『ツートップ苗』

トマトは、国内での作付面積が最も多い果菜です。周年供給に対応するため、多様な作型で栽培されています。トマトを連続して同じ場所で栽培すると、土壌病害が蔓延します。そこで1970年代ごろに普及し始めたのが「接ぎ木苗」です。「接ぎ木苗」は、性質の異なる植物体同士をつなぎ合わせたもので、土壌病害に強いなど栽培に有利な性質が組み込まれています。現在のトマト苗の市場規模は2億株程度ですが、その半分にあたる約1億株が接ぎ木栽培されています※4。かつては、生産者自らが接ぎ木苗を仕立てていましたが、高度な技術を必要とすること、育苗の失敗によるロスがかさむこと、労力がかかることから、現在では苗生産業者からの購入が主流となっています。接ぎ木苗を種子から栽培する場合は、種子代の他、資材代、さらに播種、育苗、接ぎ木などの労力が、また接ぎ木苗を購入する場合は苗代が高くかかることから、種苗費や労力を半減させるための方策として、生産者の間では独自に苗を2本に仕立てて栽培する方法が広まりました。

トマトの仕立て方は、広く普及している主茎のみを育てる「1本仕立て」と、本葉2~3枚で摘芯して側枝を2本伸ばす、あるいは摘芯することなく主茎を伸ばして第一果房直下の葉腋から側枝を伸ばす「2本仕立て」があります。現在国内では、接ぎ木苗全体の約30%に当たる約3,000万本が2本仕立て栽培されています※4。接ぎ木同様、2本に仕立てるには手間と技術が必要なため、近年では「2本仕立ての接ぎ木苗」を苗生産業者に発注するケースが増えています。

流通している従来の2本仕立て苗は、本葉2~3枚で摘芯して側枝を2本伸ばす方法で作られています。この方法は、側枝が発生する時間差の影響で両側枝の生育にばらつきが出やすくなります。その結果、生産者は、株ごとに苗の植え付け方や誘引方法を変えたり、施肥や薬剤散布なども工夫しなければならず、労力的にも精神的にも負担がかかります。労力とコスト削減を目的に2本仕立て栽培を導入したにも関わらず、秀品率や収量は低下し、新たな管理の手間まで発生するといった課題も抱えています。

また、従来の2本仕立て苗は主にポットで出荷されており、業者から苗を納入するための輸送費として1ポット当たり15円ほどかかります※4。苗を大量購入する生産者にとって、輸送費は大きな負担となっています。

当社は、顕在化してきた2本仕立て栽培におけるさまざまな課題や問題点を解決すべく、2本仕立て苗の生産方法を根本的に見直す研究に着手しました。そしてさまざまな研究の末、独自の生産方法(特許出願中)によりこれまでにはない72穴、あるいは128穴のセル成型トレーで出荷できる、高品質かつ小さなサイズの2本仕立て苗の開発に成功しました。それが、今回発売するトマトの2本仕立て接ぎ木苗『ツートップ苗』です。

『ツートップ苗』は、子葉2枚のすぐ上で主茎を摘芯し、同時に2本の側枝を出させた接ぎ木苗です(図1)。最大の特長は、同時に側枝が出ることで生育バランスが極めて安定するため、従来の2本仕立て栽培と比べて生産性が大きく向上する点です。従来の側枝2本、あるいは主茎と側枝1本で仕立てる方法は、後から発生した枝への根からの水分補給や葉からの養分の転流が難しくなり、2本の茎の生育バランスが崩れ、生育状態に差が生じます。一方『ツートップ苗』は、子葉直上で側枝2本が出て左右にきれいに分かれるので、両側枝に水分や養分が均等に行き、生育が極めてよくそろいます(図1、図2)。

図1 2本仕立て苗の分岐部分(左:従来品 本葉1枚目の腋からは側枝1本目が、
本葉2枚目の腋からは側枝2本目が発生)と(右:ポット上げした『ツートップ苗』)
※ ×印は摘芯位置、赤線は最初の側枝の着生位置

 
図2 定植後の『ツートップ苗』の分岐部分

トマトを1本仕立て栽培すると通常7~8節から花芽がつきますが、従来の2本仕立て栽培は、株がしっかり育つ前の5節くらいに花芽がつきやすく、その後は着花が乱れて段飛びしやすいという傾向があります。従来の2本仕立て苗は植物体の生育バランスが悪いこともあり、段飛びしたり花がつきにくくなることから、一茎につき一段分に相当する収量が減ると一般的にいわれています。1段分の収量が減ると、1段につき4果ならせた場合、通常と比べて10a当たり単純に約6,800果の収量が減る計算になります。『ツートップ苗』なら、ほぼ1本仕立て栽培と変わらない7~8節で1段目の花房がつき、その後もほぼ葉枚数3枚おきに花房がつくため、初期から収量が安定します(図3)。また、図1の赤線のように『ツートップ苗』は従来の2本仕立て苗と比べて側枝の着生位置が低く、鈍角です。そのため側枝2本は水平に誘引しやすく、その後上方へ伸ばすと通常の栽培よりも花房の着生位置が低くなり、段数を多くとれることから、高い収量を望めます。
 
 

図3 2本仕立て栽培の種類とそれぞれの花房の着生位置 
(①:従来の2本仕立て栽培(無摘芯)②:従来の2本仕立て栽培(摘芯)③:『ツートップ苗』による栽培)

『ツートップ苗』は、2本仕立て苗としてはこれまでにない小さなサイズで出荷できるため、苗代は1株200円程度で従来品の3分の2程度に、輸送費は1株1~2円程度で約10分の1程度になります。また、熊本県農業経営指標の春トマト(長期どり)の「栽培体系及び月別作業時間」によると、35aの規模でトマトを種子から栽培した場合、全作業には1,297時間かかります。これを、現在主流となっている1本仕立て接ぎ木苗を購入した場合を想定して計算すると、播種や接ぎ木の作業を省けるため、合計で1,216時間となります。それに対し『ツートップ苗』は、さらに鉢上げ、育苗管理、定植、片付けをほぼ半減できるため、1,162時間程度となります。つまり、1本仕立て接ぎ木苗を購入した場合と比べて全作業時間の54時間、約4.5%を削減できる計算になります。このように、『ツートップ苗』を使うことで生産者の費用負担や労力は大幅に軽減できます。

また、当社オリジナルの育苗用セル成型培養土「プラントプラグ」標準仕様なので、トレーからの苗の抜き取りがしやすく移植作業が楽にでき、根詰まりが起こりにくく、若苗での定植が可能で、定植後の根付きも良好といった特長があります。『ツートップ苗』を使用する上でのポイントは、1株で2株分を栽培しているようなものなので、樹勢を落とさないよう特に中盤以降の施肥は工夫することです。

当社の台木品種「ブロック」に「麗容」を接ぎ木した『ツートップ苗』を使った熊本県玉名市の生産者からは「1本仕立て栽培と比べ、種苗代の他、接ぎ木、育苗、定植、片付けの手間がほぼ半減するうえ、一茎あたりの品質、収量に遜色がない」「従来の2本仕立て苗と比べ、生育旺盛でよくそろう」「トマト栽培はいかにしてコストを下られるかが大事。燃料費や設備費の削減、収穫期間の長期化などさまざまな手段を試みたが、もう策は尽きている。『ツートップ苗』を使えば、いくつかの工程が半分で済み、種苗代も減らせる。これは生産者には革命的なことであり、日本のトマトの生産現場が『ツートップ苗』によって大きく変わると期待している」などといった高い評価をいただいています。

『ツートップ苗』の販売は受注生産方式で行い、当社オリジナルの大玉トマト、ミニトマトの主要品種で対応します。生産は、当社関係会社で、花・野菜苗の生産・販売を行う、株式会社山形セルトップ、株式会社飛騨セルトップ、株式会社福岡セルトップの3社で行います。

当社は、国内におけるトマトの2本仕立て苗市場を開拓すべく、従来から2本仕立て栽培を導入している主要産地、生産者に向けて同商品の営業を展開していきます。『ツートップ苗』の労力、コスト削減のメリットを訴求し、浸透を図ることで、トマトの生産現場を一変させる画期的商品として、積極的に拡販していきます。

※1 接ぎ木:
通常2個体の植物体の一部を、人為的につくった切断面で接着した1つの個体のことをいい、上部の植物体を「穂木(ほぎ)」、下部の植物体のことを「台木」という。トマト栽培において台木品種を使用する目的は「穂木を土壌病害などに対して抵抗性や強い耐病性をもつ台木に接ぎ木することにより、病気の被害を防ぐ」「草勢のおとなしい穂木を草勢の強い台木(もしくは草勢の強い穂木を草勢のおとなしい台木)に接ぎ木し、草勢をコントロールして適切な栽培管理を行い収量アップや品質の向上を図る」などである。

※2 熊本県農業経営指標 春トマト「栽培体系及び月別作業時間」から計算したものによる。

※3 プラントプラグ
正式名称は「プレフォーマ*・プラントプラグ」。ピートモスとココヤシ繊維を混合した培養土をトレー内で固化・成型させたもの。①トレーからの抜き取りが簡単で、移植作業の大幅な省力化が可能 ②根づまりが起こりにくく、根の活力がたいへん旺盛なため、スムーズな活着、健全な生育を実現 ③若苗での移植ができ、苗本来のパフォーマンスを最大限に引き出せる―などの特長がある。
* 「プレフォーマ」はジフィー プロダクツ インターナショナル社の登録商標です。

※4 当社推定

■トマトの2本仕立て接ぎ木苗『ツートップ苗』の概要

◆特 徴 

① 独自の生産方法(特許出願中)により小型化に成功。これまでにはない72穴や128穴のセル成型トレーで出荷できるトマトの2本仕立て接ぎ木苗。
② 子葉付け根から側枝2本を出させることで、両側枝の生育がよくそろうので栽培管理がしやすい。
③ 従来の2本仕立て苗と比べて、苗代は3分の2程度に、輸送費は10分の1程度に軽減できる。
④ 1本仕立て接ぎ木苗を購入した場合と比べて、全作業時間を約4.5%減らせる。
⑤ 側枝2本は水平に誘引しやすく、その後上方へ伸ばすと通常の栽培よりも花房の着生位置が低くなることから、段数を多くとれる。1本仕立て栽培とほぼ変わらない7~8節から1段目の花房がつき、その後も段飛びしにくいため、初期から高品質な青果を安定して出荷できる。
⑥ 1株で2株分を同時に栽培しているようなものなので、樹勢を落とさないよう中盤以降の施肥は工夫する。
⑦ 「プラントプラグ」標準仕様なので、移植作業がしやすく、根付きも良好。

◆販売形態

受注生産方式
穂 木:サカタのタネ オリジナルトマト・ミニトマト品種
台 木:サカタのタネ オリジナル台木品種
 
受注締切:予約生産のみに対応し、納期60日前に締切り
出荷形態:「プラントプラグ」標準仕様 
72穴(70本保証)、128穴(125本保証)

※詳しい取扱品種についてはお問い合わせください
※1納品日につき同一品種3トレーから対応します

◆参考価格(税込み希望小売価格)

穂木「りんか409」、台木「ブロック」の場合
72穴セルトレー 15,324円、128穴セルトレー 26,775円

※ご注文の穂木、台木の品種に応じてその都度お見積り
※送料は別途実費にてご請求
         
◆発売時期

2013年5月1日から全国の種苗店・JAなどを通じて受注開始、7月上旬から順次発送

◆3年後の年間販売目標 

2億円(2015年5月~2016年4月の1年間)

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