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ニュースリリース|2013

2013年06月10日

耐寒性と晩抽性※1に優れる2~3月どり品種を開発
青首ダイコンの新品種『冬みね2号』の種子を生産者向けに発売
黒斑細菌病※2に強く、小葉で立性※3のため密植栽培にも向く高品質なダイコン

 
サカタのタネは、2~3月どりの青首ダイコンのF1新品種『冬みね2号』を開発し、同品種の種子を発売します。『冬みね2号』は、耐寒性と晩抽性に優れ、ゆっくり肥大する性質があるため、秋冬ダイコンと春ダイコンの端境期に出荷できます。近年、温暖化の影響で2~3月どりダイコンの播種時期は徐々に遅くなってきており、根の伸長に必要な温度を十分に得られず、品種によっては短根になってしまうことが課題となっています。『冬みね2号』は、低温伸長性に優れるため、暖地では気温が十分に下がる10月の播種でも、出荷に適した根長38cm前後の青果を収穫できます。近年被害が深刻化している黒斑細菌病に比較的強く、葉枚数が多く光合成が活発に行われるため、収穫まで順調に生育します。さらに、葉は小葉で立性のため密植栽培にも適します。肌にテリがあり尻部の肉付きがよく、青首内部は緑色になりにくいことから、生食だけでなく、煮物や刺身のツマなど業務加工用にも向く高品質なダイコンです。『冬みね2号』の種子の販売は、全国の種苗店、JAを通じて2013年6月下旬から行います。税込希望小売価格は、20mℓ袋入り1,260円、2㎗袋入り12,285円、ペレット5,000粒入り8,715円です。初年度販売目標額は、2,000万円です。
 


 写真は、青首ダイコン『冬みね2号』の青果物

ダイコンの主な作型は、秋冬どり栽培、春どり栽培、夏どり栽培があります。発芽適温は15~30℃、生育適温は17~20℃で、本来冷涼な環境を好みます。秋冬どりは最も栽培しやすい作型ですが、3月に入り温度が高くなり日が長くなると、開花のために茎が伸びる抽だいが始まります。抽だいすると、肉質は硬くなり、品質が著しく損なわれます。したがって、秋冬ダイコンの後期にあたる2~3月どりのダイコンには、秋冬どりダイコンに必要な耐寒性の強さやス入りの遅さに加えて、晩抽性も求められます。特に近年は、冬の寒さが厳しかったり、春に急に温度が上昇するなど天候の変動が激しいことから、品質を維持するのが難しい状況にあります。そのため、高品質でありながら歩留まりが高い2~3月どりのダイコン品種の登場が切望されています。

当社の2~3月どりダイコンには「冬みね」と「冬みねセブン」があります。いずれの品種も、耐寒性と3月半ばまで安心して収穫できる晩抽性に優れるダイコンです。また、見た目や味のよさも高く評価されています。それに加え「冬みね」は、雨の多い秋と春に発生しやすく近年深刻化している黒斑細菌病にも比較的強い性質があります。これらのことから「冬みね」「冬みねセブン」は、当社営利用秋冬ダイコンのなかで、3年連続でトップ3の売上に入る定番品種となっています。

ダイコンの大産地である神奈川県三浦半島一帯では、2~3月どり品種を9月下旬から播種するのが一般的でしたが、近年、温暖化の影響でこの時期になっても気温が下がらないため、現在は10月に入ってから播種する傾向にあります。その結果、根の伸長に必要な温度を十分に得られず、品種によっては短根になってしまうという課題がありました。

このような課題に対し、「冬みね」の特性はそのままに、出荷に適した根長を確保でき、そろいのよいダイコンとして開発したのが『冬みね2号』です。『冬みね2号』は、低温でも比較的スムーズに生育するため(低温伸長性)、暖地では10月に入ってからの播種でも根長38㎝前後の青果を収穫できます。通常、ダイコンを栽培する際は、畝間45㎝×株間25㎝程度が一般的ですが、『冬みね2号』の葉はいわゆる葉数型の品種で、葉枚数が多く、小葉で、しかも立性であることから、40㎝×20㎝程度の密植栽培にも対応できます。そのことから三浦では、秋にダイコンをタネまきし、晩秋から冬にダイコンの間にキャベツを植えつけ、狭い土地を有効活用する「間作」※4にも向く品種として期待されています。また、葉枚数が多いことに加え、2月下旬ごろから新葉が出てくるため、冬を通して雨や風、霜などで葉が傷んでも一株あたりの光合成量が維持できるため、生育後半においても根の生育が衰えません。

スが入りにくく、肌にテリがあり尻部の肉付きもよく、肉質がしっかりしていることから、一年のうちで最も品質がよいとされている秋冬どりダイコンに近い特性を持っています。そのため、生食から煮物まで幅広い料理に向き、さらに青首内部は緑色になりにくいことから、大根おろし、おでん、刺身のツマなど業務加工用にも好適です。
ダイコンの育成は屋外で行うので、気象条件の影響を受けます。特にこの数十年は気候が不安定なこともあり、『冬みね2号』の開発には約15年の歳月を要しましたが、一方でこの悪条件下で開発したことで優れた品種を育成することができました。

そのような背景により、『冬みね2号』を試作された三浦の生産者からは「10月に入ってから播種しても根長が十分にとれる」「近年悩まされている黒斑細菌病に強く、秀品率が高い」「青果のそろいがよい」といった数多くの高い評価をいただいています。

当社では、『冬みね2号』を「冬みね」「冬みねセブン」とともに、2~3月どりダイコンの定番品種として全国の温暖地、暖地の主要産地に向け、積極的に拡販していきます。

※1 晩抽性(ばんちゅうせい):
ダイコンの場合、低温に遭遇しても花芽が形成されにくい性質のこと。

※2 黒斑細菌病:
葉に黒褐色斑点や条斑が生じる病害。ダイコンでは時に根頭部の表皮や内部組織が黒変する。ダイコンをはじめとして多くのアブラナ科作物を犯す。肥切れや排水不良によって本菌の発病が助長されるため注意が必要である。

※3 立性(たちせい):
分枝や葉の着生角度が鈍角の形質を開帳性というのに対し、鋭角のものを立性という。一般に立性の品種は、受光態勢がよく、より多くの葉に光を受けることができる。また、開帳性に比べて立性は、株幅を狭くできるため、単位面積当たりの株数を増やすことができる。これらのことから、立性の品種の育成は多くの作物で目標とされる。

※4 間作(かんさく):
作物の栽培期間中にその畝間あるいは株間に他の作物を栽培すること。圃場の効率的利用、生産性の向上、気象災害の回避、病害虫による被害の軽減などに効果がある。神奈川県三浦半島では、一戸当たりの栽培面積が少ないため、独特な方法としてこの間作が行われている。秋にダイコンをタネまきし、ダイコンの間に晩秋から冬に春キャベツを植えつけ、1~2月にダイコンを、4~5月に春キャベツを収穫するもので、狭い土地を最大限に活用する方法として、取り入れられている。

■ダイコンの新品種『冬みね2号』の概要  

◆特 徴 

耐寒性と晩抽性に優れる、2~3月どりの青首ダイコン。
根長は38cm前後、根径は約7cm。
低温伸長性に優れるため、暖地では10月の播種でも十分な根長を得ることができる。
温暖地の霜よけ被覆栽培、暖地の越冬栽培に適する。
葉は濃緑色の小葉で、枚数が多く、立性。
黒斑細菌病に比較的強い。
肌にテリがあり、尻部の肉付きがよく、青首内部は緑色になりにくい。肉質・外観ともに秋冬どりダイコンに近く高品質。
生食はもちろん、おでんなどの煮物や、刺身のツマなどの業務加工用にも向く。

◆栽培の適応性 

耐寒性と晩抽性を有する上に、ゆっくりと肥大する性質があるので、秋冬どりと春どりの間に収穫できる。温暖地(千葉県基準)9月下旬~10月上旬播種で1月上中旬~3月中旬どり、暖地(神奈川県三浦基準)10月上中旬播種で2月中旬~3月中旬どり、暖地(鹿児島県基準)10月中下旬播種で2月どりに適する。

◆栽培のポイント 

①土作りと施肥
堆肥や緑肥などの施用による土壌の団粒構造化に努める。病害軽減のため、微生物肥料や良質な完熟堆肥を施用し、有効菌の増殖を促す。施肥は、元肥を控えめにし、追肥を主体とする。収穫間際の肥料切れは、葉の耐寒性が落ちるので注意が必要。

②播種
栽植密度は、地域や作型によって異なるが、畝間40~50cm×株間20~25cmくらいの密植栽培が本品種は可能。

③管理
生育後期は霜害や凍害が発生しやすい時期と重なるので、それらを助長し根の肥大不足や肌の老化などの品質低下を招く肥料切れに注意する。また霜が降り始めたら、べたがけやトンネルによる被覆を行うことで霜害や凍害を軽減できる。地上部に露出している青首部分は寒さにより細くなるためマルチ栽培は不向き。病害虫防除は、早期の薬剤散布を心がける。

④収穫
収穫適期を過ぎてもス入りの心配が少なく、良質のダイコンを収穫できるが、収穫期を極端に遅らせると抽だい、各種障害が出やすくなるので注意。

◆種子価格(税込み希望小売価格) 

20mℓ袋入り1,260円   2㎗袋入り12,285円   ペレット5,000粒入り8,715円
※趣味園芸向け種子の販売は未定

◆種子発売時期 

2013年6月下旬から全国の種苗店・JAを通じて販売

◆販売目標金額 

初年度2,000万円(2013年6月~2014年5月の1年間)、3年後5,000万円(2016年6月~2017
年5月)

◆作型図 

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