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ニュースリリース|2014

2014年01月27日

欧州の産地を中心に深刻な被害をもたらしているべと病問題を解決する
観賞切り花用ヒマワリとして世界初のべと病抵抗性品種を開発
観賞切り花用ヒマワリの生産コストや労力の削減を実現する画期的新品種

サカタのタネは、観賞切り花用ヒマワリとしては世界初となる、べと病抵抗性品種を開発し、今年2014年から産地実証試験を開始いたします。

ヒマワリがべと病に罹ると、葉に黄緑色の病斑を生じます。症状がひどくなると株が萎縮し草丈がとれず、その結果出荷ロスとなります。近年、主に欧州の観賞切り花用ヒマワリの産地において、べと病の被害が深刻化しています。オランダのべと病による被害が深刻な圃場では、出荷ロスが50%以上に及ぶこともあり、現在では徹底的な病害防除が行われています。それにかかる生産コストは大変大きく、農薬や薬散機械、労働などの生産コストが、1haあたり1回の生産で55,000円前後かかります。

当社が観賞切り花用ヒマワリとして世界で初めて開発したべと病抵抗性品種は、これらの問題を解決する画期的な新品種です。さらに、栽培しやすく良質な切り花がとれます。抵抗性の実証試験は、2013年にドイツのハイデルベルグ市にある公立試験場で実施されたほか(※添付参考資料参照)、当社の掛川総合研究センターでも行われ、いずれも本品種の抵抗性が際立つ結果となっています。

写真は、当社掛川総合研究センターにおける接種栽培試験の様子(2014年1月7日撮影)
両端がべと病の被害が大きく草丈がとれていない従来品種、中央が当社べと病抵抗性品種

観賞切り花用ヒマワリの生産は、欧州・中南米でさかんに行われています。欧州での主な産地はオランダ、ドイツ、イタリア、スペイン、フランス、イギリス、ポーランドなどです。世界最大の花き市場であるFloraHolland 市場のデータ(2012年)よると、同市場でヒマワリは、全実生系切り花中、第3位となる年間約4,800万本(18億3千万円)が流通しているなど、大変重要な品目になっています。

近年、欧州を中心にべと病の被害が深刻化しています。ヒマワリのべと病は、卵菌の一種(Plasmopara halstedii)の感染によるもので、葉に主脈を中心とした黄緑色の病斑を生じ、葉裏に白色の胞子が形成される植物病害です。ひどくなると株が萎縮して草丈がとれなくなります。育苗期に冷涼、かつ水分の多い環境下で発生しやすくなります。菌は土壌中で長期間生存して伝染源となるため、ヒマワリを連作すると再発の危険性が高まります。また、過度の薬散により菌が薬剤耐性を有してしまうこともあります。病原菌はPlasmopara halstediiの1種類ですが、ヒマワリの品種ごとに対する反応が異なる系統(レースと呼ばれる)が複数あります。

オランダのべと病の被害が深刻な圃場では、出荷ロスが50%以上に及んだとの報告も上がっています。その対策として、現在では徹底的に農薬散布が行われており、1haにつき1回の生産でべと病防除に使用する薬剤のコストは約43,000円、そのほか、労働や薬散機械など薬散以外にかかるコストが約9,000~13,000円、合計で55,000円前後がかかっています。このようなコストや労力の増大により、生産者には大きな負担がかかっています。

そのため、べと病の被害が深刻な産地では、べと病に抵抗性を持つ切り花品種が強く望まれています。単に抵抗性を有するだけではなく、従来の観賞切り花用ヒマワリと抵抗性以外の部分でも競争できる商品価値の高い品種が求められています。

当社が観賞切り花用ヒマワリとして世界で初めて開発したべと病抵抗性品種は、これらの問題を解決する画期的な新品種です。抵抗性の実証試験は、2013年にドイツのハイデルベルグ市にある公立試験場で実施されたほか、当社の掛川総合研究センターでも行われ、いずれも本品種の抵抗性が際立つ結果となっています。本品種は、現在発生が確認されているヒマワリのべと病の10種類以上あるレースのほぼすべてに対して抵抗性を持ちながら、栽培しやすく良質な切り花がとれます。

当社では、今回の開発を受けて今年2014年から産地実証試験に着手し、将来的な販売開始に向けたさまざまなデータ収集などを行っていく予定です。

当社では、消費者にとって個性的で魅力のある高品質な品種の作出に取り組むと同時に、今回の世界初べと病抵抗性観賞切り花用ヒマワリのように、生産者の負担の軽減、経営環境の改善につながる育種にも積極的に挑戦し続けていきます。

※ 抵抗性 :
当社では、病害に対する抵抗性をその程度により「抵抗性」と「耐病性」という言葉で表している。発病条件(温度、湿度、病原体の密度など)の影響を受けにくい安定したものに「抵抗性」、それに比べ影響を受けやすいものに「耐病性」を用いている。ただし、「抵抗性」としているものでも、発病条件やレ-ス分化などにより発病することがある。

■サカタのタネ 掛川総合研究センターにおける接種栽培試験の様子


べと病に感染し、葉の表面に黄緑色の病斑が生じた従来品種

 

 
株の生育状況(両端が従来品種、中央が当社べと病抵抗性品種)

 
葉裏の胞子形成状況(両端が従来品種、中央が当社べと病抵抗性品種)

※上記3点とも、播種後36日目の様子。撮影:2014年1月7日

■参考資料1:ドイツ ハイデルベルグ 公立試験場
      「2013年 観賞切り花用ヒマワリの「べと病」感受性試作報告」
◆栽培概要
播種:3回 (1回目:4月29日週、2回目:5月21日週、3回目:6月10日週)
播種間隔:15粒/m2
播種数量:各播種、各品種につき60粒(30粒×2区画)
     ただし、当社べと病抵抗性品種のみ、各播種につき180粒(90粒×2区画)とした
灌水方法:点滴チューブ
薬剤散布(べと病対策用):なし
※2回目播種直後の多雨の影響で、2回目播種分の発芽が非常に低かったため、1回目・3回目播種分の結果のみ記載。

◆べと病感染株比率
播種1回目

播種3回目

◆べと病感染株の感染程度(1、3回目播種)

 
 
 
1回目播種 3回目播種
 7/8週調査  7/29週調査 7/8週調査 7/29週調査
1区 2区 1区 2区 1区 2区 1区 2区
従来品種A  5 5 5 5 3 5 4 5
従来品種B 2 2 2

2

3 2 5 5
従来品種C  5 5 5 5 5 5 5 5
従来品種D  2 3 2 3 3 4 5 5
 当社べと病抵抗性品種 0 0 0 0  0 1 0 0

以下の方法に従い感染程度を評価した:
0:べと病の感染がまったくない
1:最もひどく感染した株に、直径1cm内のべと病の小斑点が1~5か所に発生した
2:最もひどく感染した株に、直径1cm内のべと病の小斑点が5~10か所に発生した
3:2と4との中間
4:最もひどく感染した株に、直径5cm以上のべと病の斑点が発生した
5:最もひどく感染した株が、べと病が原因で切り花として出荷できない(出荷ロスが発生)


■参考資料2:

 
写真は、当社べと病抵抗性品種の花部分のアップ
 

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