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ニュースリリース|2014

2014年04月22日

高温条件下でも安定して生育し、高品質の果実が収穫できる
ミニトマトのF1新品種『キャロルスター』の種子を生産者向けに発売
「裂果」や「軟化」がしにくく「安定した収量性」と「食味」に優れた待望のミニトマト


サカタのタネは、ミニトマトの新品種『キャロルスター』の種子を2014年5月下旬(予定)に発売します。『キャロルスター』は、暑さに対し「スタミナ切れがしにくい」丈夫な性質があります。特性は、節間が詰まり適度な花数で着果性がよく、高温条件下で課題となる果実の裂果※1や軟化玉、小果、奇形果の発生が少ないこと、また葉に発生する葉かび病※2や斑点病※3といった病害にも抵抗性※4を有します。これらのことから、歩留まりがよく、栽培初期から後期までLサイズ中心の果実を安定して収穫でき、暑く過酷な条件下となる「抑制栽培」※5の作型に最も適します。さらに、消費者や流通・小売関係者が求める食味・食感・果色のよさを持ち合わせており、『キャロルスター』は、高温条件下における生産や流通のマーケット上の課題に応えられる待望の品種です。

希望小売価格(税抜)※6は、プライマックスⓇ※7種子1袋1,000粒入り22,300円で、全国の種苗店・JAルートを通じて販売します。


 

写真は『キャロルスター』の青果物

 ミニトマトは、一般消費者にとって生でも食べられて調理の手間がかからないという手軽さから人気の高い野菜です。また、外食産業においても健康志向の高まりによりサラダメニューなどの業務加工用としても年々需要が高まってきています。農林水産省「野菜生産出荷統計」によるとトマト全体の出荷量が過去5年間で3%減少してしているなか、ミニトマトにおいては、11%の増加をしており(出荷量:平成15年「トマト全体」663,800t、「ミニトマト」95,100t/平成24年「トマト全体」644,500t、「ミニトマト」105,900t)、夏野菜の代表格の作物でありながら、周年を通じて安定した供給が望まれています。しかし、ミニトマトの生育現場は、近年の地球温暖化による夏場の平均気温の上昇が影響して、栽培にとって過酷な環境になっています。特に、ハウス栽培では適温をはるかに超えた40度以上にも達することがあり、高温による裂果や軟化、着果不良、着色不良をはじめ、暑さによるスタミナ切れで生育の後半にかけて果実が小さくなってしまうなどの問題が生じてしまいます。そのため、生産者にとって高品質の青果物を安定的に出荷することが年々難しくなってきています。一方、消費者、小売・流通の現場では、食味・食感のよさだけでなく、果色の美しさなどの見栄えといった品質面でもさらに高いレベルが要求され、高温条件下でも安定した収量と品質の両方をより高めたミニトマトの品種が求められていました。

今回、発売する『キャロルスター』は、このような課題を解決すべく、「花数の安定を重点に、食味がよく、節間がつまり、耐裂果性、収量性のある品種の開発」を目標に育種したものです。特に環境変化による着果数の変動が少ない点と、高温条件下でも安定して生育し果実の裂果や軟化、小果の発生を大幅に改善しました。スタミナの切れにくさから、生育の後半までLサイズ中心の果実を安定して収穫でき優れた収量性があります。また、節間が短いことから天井の低いハウスでも収穫段数を増やすことができ、花数が一花房あたり約20花ほどと多花になりすぎない性質から、摘花の必要がないため作業性にも優れます。果重は従来のミニトマトと同等の10~15gです。食味は、甘みと酸味のバランスがとれてコクがあり、食感は果肉が厚く果皮がやわらかいので、皮の残りが感じにくいしっとりとなめらかな舌触りです。

見栄えは、従来品種がベースグリーン(ヘタまわりの緑色の帯状の果皮)があるため下地が安定せず色ムラが発生することがあるのに対し、『キャロルスター』はベースグリーンがなく、全体が均一にいったん白くなってから色づくため、満遍なく色が回り、色ムラが発生しにくいという珍しい特長があります(参考写真参照)。

『キャロルスター』は葉かび病、ToMV※8(トマトモザイクウイルス、Tm-2型)、斑点病に抵抗性、萎凋(いちょう)病※9(F:レース-1)、根腐萎凋病(J3)※10に耐病性※4、さらにネマトーダ(ネコブセンチュウ類)に耐虫性があります。しかし、黄化葉巻病※11や葉かび病新レース、うどんこ病※12、すすかび病※13に対する抵抗性はないため、これらの病害については防除が必要となります。また、灌水は多めに行い、「ブロック」(当社育成)などの草勢の強い台木を用いた接ぎ木栽培を行うとさらに草勢が衰えず安定生産することができます。

このように『キャロルスター』は、暑さに強い性質からトマト栽培で過酷な環境となる「抑制栽培」に最適で、生産供給量が落ち込む夏から秋の安定供給に寄与する品種です。歩留まりがよく食味もよいことから、一般消費だけでなく、近年需要が高まり高いレベルが求められている業務加工用にも向いています。

なお、品種名は当社の丸玉のミニトマトに冠する「キャロル」と、高温条件下において安定した生産ができることから、生産者、流通者だけでなく消費者にも喜ばれ、皆さんに愛される品種になってほしいという思いを込めて「スター」と名付けました。

今後、環境変化によってもたらされる気象変動により、さまざまな農作物の栽培が難しさを増すなか、当社では長年蓄積してきた膨大な植物遺伝資源、育種研究開発力を最大限に活用し、これからも消費者、小売・流通関係者、そして産地のニーズに対応した品種を開発して、青果物の安定的な供給に寄与していきます。

■ミニトマト『キャロルスター』の概要

 ◆特 長
① ToMV(Tm-2型)、葉かび病、斑点病に抵抗性、萎凋病(F:レース-1)、根腐萎凋病(J3)に耐病性で、ネマトーダ(ネコブセンチュウ類)に耐虫性のミニトマト。
② 節間が詰まるが、異常茎の発生が少なくつくりやすい。
③ 果皮が薄く、果肉が厚い。高糖度で肉質よく、食味極良。全体的に色回りよく、果色も極良。
④ 下段より花数が適度で、花房が安定し、摘花の必要がない。


 ◆作型図 

 


◆参考写真


 

◆希望小売価格(税抜)
プライマックス種子 1,000粒入り1袋  22,300円 
※趣味園芸向け種子の販売は未定


◆発売時期・販売ルート
2014年5月下旬(予定)から全国の種苗店・JAを通じて生産者に販売

※1 裂果:
収穫期近くになり、果実表面が果実内部の膨圧に耐えきれず、はじき割れることを指す。裂果には3種類あり、果梗(かこう)部を中心に同心円状に果実が裂ける同心円裂果、果梗部から放射状に裂ける放射状裂果および果実側面が裂ける側面裂果がある。

※2 葉かび病:
糸状菌による病害。葉だけに発生する。はじめ葉の表側にボンヤリとしたやや黄色みがかった病斑が発生し、やがて葉の裏側に灰白色のカビが発生し、後期には灰褐色に変色する。ひどいと葉の表側にもカビが生じ、葉枯れを起こす。多湿条件下で発生し、激しく発生した場合には着果不良や果実の肥大不良の原因となる。

※3 斑点病:
糸状菌による病害。主として葉に発生する。病斑ははじめ緑褐色の小斑点で、その後拡大して2~3mmの淡褐色~暗褐色の円形となる。病斑の周囲は黄変し、病気が進むと病斑の中心部に穴があく。多湿条件下で発生し、窒素過多や肥切れするようなときに発病しやすい。

※4 抵抗性・耐病性:
当社では、発病条件(温度、湿度、病原体の密度など)の影響を受けにくい安定したものを「抵抗性」と呼び、影響を受けやすいが、発病の程度が軽く、栽培するうえでは問題になりにくい性質を「耐病性」と呼んでいる。「抵抗性」としているものでも、条件やレ-ス分化(抵抗性遺伝子を打破する進化)などにより発病するおそれがある。

※5 抑制栽培:
主に5月中旬~7月上旬にかけて播種し、収穫期間は無加温の場合7月~11月、加温の場合7月~2月までである。抑制栽培はハウスでのスイカ・メロン・キュウリ・トマトなどの後作として栽培が行われている。

※6 価格はすべて希望小売価格(税抜)です。価格の自主的な決定を拘束するものではありません。

※7 プライマックス
発芽ぞろいをよくするための発芽促進処理。トマトの場合、そろいがよいことで接ぎ木栽培の効率や歩留まり率が向上し、コスト削減、品質向上に寄与する。

※8 ToMV(トマトモザイクウイルス):
主として葉にモザイク症状が現れ、ときに葉の先が細くなることもある。また、茎葉や果実に激しいえそが生じる場合もある。接触伝染や土壌伝染するため、はさみや手袋などの消毒や土壌消毒を行い対策する。

※9 萎凋病:
土壌病害で病原菌(糸状菌)は根から侵入して導管内で増殖・伸展する。はじめ葉が萎凋、黄化してついには株全体がしおれて枯死する。本病原菌には3つのレース(病原菌の形態には差異はないが、病原性が異なる菌系統のこと)が存在する。

※10  根腐萎凋病(J3):
土壌病害で病原菌(糸状菌)が根に寄生し根腐れを起こす。導管内に進入し、維管束の褐変を起こすこともある。発病は地温が15℃から20℃のときに激しく、晩秋から春にかけて発生しやすい。慢性的にしおれ、下葉から黄化してやがて枯死する。

※11 黄化葉巻病 :
トマト黄化葉巻ウイルス(Tomato yellow leaf curl virus)による病害のこと。地中海沿岸諸国、アフリカ、オーストラリア、アジア、中米、北米など世界各地で発生している。本ウイルスは媒介虫であるタバココナジラミ類によって媒介、感染する。現在、日本国内で発生しているTYLCVは、比較的病徴の発現が穏やかなマイルド型とも呼ばれるTYLCVマイルド系統と、激症型とも呼ばれるTYLCVイスラエル系統が確認されている。いずれも病徴は、主に成長点付近で顕著で、発病初期には新葉の縁から葉色が薄くなり、葉が上向きに巻き、その後、葉脈と葉脈の間が黄色くなり葉が縮む。さらに病状進行すると、成長点周辺が叢生(そうせい)して株全体が委縮する。このように株全体の成長が著しく阻害されるため、収量は大幅に減少する。

※12 うどんこ病 :
糸状菌、子のう菌類の一種の病原菌により主に葉に発病する。ふつう下葉から発生し、葉の表面に小麦粉をふりかけたような白いカビを生じる。これは後に灰白色となり、そのなかに黒色の小粒(子のう殻)が形成される。発病のひどいときは葉が枯れ上がり、収量は減少する。 

※13 すすかび病 :
本病の病徴は葉かび病に類似しており、肉眼観察による判別は難しい。多湿条件の施設栽培で発生しやすい。はじめ葉裏に不明瞭な淡黄緑色の病斑を形成し、やがて病斑上に灰褐色粉状のカビを生じる。病斑は次第に円形または葉脈に囲まれた不整形に拡大し、灰褐色から黒褐色に変わる。葉の表には不明瞭な淡黄褐色の病斑が生じ、その上にもカビを生じる。病勢が進展すると葉全体がカビで覆われ枯れ上がる。

 

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