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ニュースリリース|2015

2015年03月13日

黄化葉巻病耐病性の大玉トマト『麗旬』の種子を発売
耐病性、食味、収量性の三拍子がそろった画期的な新品種、大産地で高評価

 

サカタのタネは、黄化葉巻病の耐病性※1を備えた赤熟出荷向き大玉トマトのF1新品種『麗旬』(れいしゅん)=写真=の種子を5月上旬から発売します。同品種は黄化葉巻病(TYLCVマイルド系統とTYLCVイスラエル系統両方)に対して耐病性を持ち、さらに食味のよさ、収量性の高さという現在のトマト生産において重要視されるポイントをおさえた画期的な大玉トマトの新品種として、当社が昨年2月に発表したものです。九州や中部地方などの大産地に限定した試験販売を経てきましたが、優れた特性をもつため、各地の生産者や出荷組合などからの引き合いが多く、今回、本格的な販売を開始します。『麗旬』の最大の特徴は「黄化葉巻病の耐病性」「優れた食味」「高い収量性」の三拍子がそろっている点です。いずれも生産現場、市場や流通関係者、消費者にとって必須の要素となっており、すでに試作導入をした生産者からは「耐病性品種とは思えないぐらい味がよい」といった高い評価を受けています。今後、『麗旬』が普及することで、黄化葉巻病に苦しむトマト生産現場の負担が軽減され、産地の課題解決と高品質なトマトの安定供給につながっていくことが期待されます。

『麗旬』の青果は果重220~230g程度。果色や色回りに優れており、極硬玉で裂果※2の発生が少ないです。果実は硬く、赤く熟させてから収穫しても日持ちがよいため流通性に優れ、当社オリジナルの赤熟もぎり※3の統一青果ブランド名「王様トマト」として出荷できます。『麗旬』の種子の希望小売価格※4は、1,000粒入り袋35,000円(税抜)で、全国の種苗店、JAルートを通じて販売していきます。
 


■大玉トマトのF1新品種『麗旬』の特徴

①萎凋病※5(F:R-1,2)、根腐萎凋病※6、ToMV(Tm-2a型)、半身萎凋病※7、葉かび病※8、斑点病※9に抵抗性でネマトーダに耐虫性、TYLCVイスラエル系統、マイルド系統両系統に対し耐病性(耐病因子:Ty3a)の赤熟出荷向き大玉トマト。
②草勢は中程度、早生で栽培の後半までスタミナがある。チャック果※10、窓あき果※11、空洞果※12、スジ腐れ果※13の発生が少なく、上物率が高い。
③果実は豊円腰高で果色・色まわりにすぐれ、極硬玉で日もち性がよい。裂果の発生が少なく、赤熟収穫が可能。
④食味は肉質よく、コクがあり良好。
⑤着果性がよく、下段より果実の肥大力があり多収。



■大玉トマトのF1新品種『麗旬』の作型図

        

 

■黄化葉巻病耐病性と『麗旬』について

トマト黄化葉巻病は現在、九州から関東までのトマト産地で深刻な被害をもたらしています。発病すると葉が葉巻症状になり、進行すると株全体が委縮し収量が激減します。この病害はタバココナジラミが病原ウイルスを媒介することにより感染しますが、防除には非常に手間がかかり、根絶も難しく、産地全体が壊滅的な被害に陥るケースもあります。近年、黄化葉巻病耐病性品種も導入され始めましたが、「非耐病性のトマトに比べ食味が著しく劣る」「収量性が低い」などの課題が指摘されています。そのため産地としてのブランド戦略、市場における競争力の確保、トマトの消費維持と拡大などを総合的に考えた場合に安易に導入できないのが現状です。単に病気に強いというだけではなく、通常のトマトと「食味」「収量」「市場性」などトマトとしての本質的な部分で競争できる高い商品価値を持つ品種が求められていました。『麗旬』の開発にあたっては、日本一のトマト生産地であり、同病害の被害が深刻な熊本県八代市などの産地で数年にわたり試作を行い適性を確認しました。食味は市場や外食産業、食品加工業者など流通関係者を対象にした試食会や聞き取り調査を繰り返し実施するなどし確認してきました。このように『麗旬』は実需者の評価を見極めながら慎重に開発を進めており、黄化葉巻病耐病性の決定版になる品種として期待しています。


※1 抵抗性・耐病性:
抵抗性とは真性抵抗性ともいい、病害自体におかされない性質をいい、耐病性は圃場抵抗性ともいい、おかされはす
るがその程度が軽いという性質をいう。

※2 裂果:
収穫期近くになり、果実表面が果実内部の膨圧に耐えきれず、はじき割れることである。裂果には、果梗(かこう)部を中心に同心円状に果実が裂ける同心円裂果、果梗部から放射状に裂ける放射状裂果および果実側面が裂ける側面裂果がある。

※3 赤熟もぎり:
トマトの5段階熟度表の4段階(10段階熟度表では8)以降の赤さを基準に、トマトを樹で赤く熟させてから収穫する方法。

※4 価格はすべて希望小売価格(税抜)です。価格の自主的な決定を拘束するものではありません。

※5 萎凋病:
土壌病害で病原菌(糸状菌)は根から侵入して導管内を伸展するので、はじめは葉が萎凋、黄化してついには株全体がしおれて枯死する。本病原菌には3つのレースが存在する。

※6 根腐萎凋病:
土壌病害で病原菌(糸状菌)が根に寄生し根腐れを起こす。導管内に侵入して導管の褐変を起こすこともある。発病は地温が15℃~20℃のときに激しく、晩秋から春にかけて発生する。慢性的にしおれ、下葉から黄化してやがて枯死する。

※7 半身萎凋病:
土壌病害で根の傷口から病原菌(糸状菌)が侵入する。はじめは下葉の一部の片側半分が黄化萎凋し、やがて株全体の半身
がしおれて枯れ込む。定植一か月後ころから地上部に病徴が発現し始めて、以後収穫が終わるまで慢性的に発生し続ける。夏秋トマト栽培で発生しやすい。

※8 葉かび病:
糸状菌による病害。葉だけに発生する。はじめは葉の表側にボンヤリとしたやや黄色みがかった病斑が発生し、葉の裏側に灰白色のかびが発生する。ひどいと葉の表側にもかびが生じ葉枯れを起こす。多湿条件化で発生し着果不良や果実の肥大不良の原因となる。

※9 斑点病:
糸状菌による病害。主に葉に発生する。病斑ははじめ緑褐色の小斑点で、その後拡大し2~3mmの淡褐色~暗褐色の円形となる。病斑の周囲は黄変し病気が進むと病斑の中心部に穴があく。多湿条件下で発生し窒素過多や肥切れするようなときに発病しやすい。

※10 チャック果:
果実の表面にがく周辺部から果頂部にかけてコルク化した細いスジが入る果実。

※11 窓あき果:
果実の肥大に伴いコルク化したスジの部分が裂開し、トマトの果実が窓を開けたようにゼリー部が見えるようになった果実。

※12 空洞果:
果肉部がゼリー状物質で充満せずに果皮部と胎座部の間に空洞が生じた果実。

※13 スジ腐れ果:
果皮部の維管束が壊死(えし)し、黒変や褐変した果実。

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