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ニュースリリース|2015

2015年04月15日

万能型の台木トマトの新品種『バックアタック』の種子を発売
草勢の強さ、青枯病と褐色根腐病の耐病性を持ち栽培後半までスタミナを持続


サカタのタネは、台木トマトの新品種『バックアタック』=写真=の種子を2015年6月から発売します。草勢の強さと青枯病※1と褐色根腐病※2への耐病性※3の3点をそろえた万能型の台木です。また萎凋病※4のレース1~3、半身萎凋病※5のレース1~2、根腐萎凋病※6、ToMV※7への抵抗性※8とネマトーダへの耐虫性も兼ねそろえた複合耐病性を持っています。幅広い病害への対応性があるため作型を選ばず、オールシーズンで利用できる使いやすい台木です。またすじ腐れ果※9、空洞果※10の発生が少なく、食味などの品質低下が少ないのも特徴です。収量増と病害の両方に対応することでトマト産地の課題解決に貢献できます。

近年のトマト栽培では、面積あたりの収量を上げるために栽培期間を長くする長期長段採りの作型が増えていますが、トマトは樹勢が落ちると収量が落ちるため、栽培の後半まで実を付けるスタミナが重要視されています。また一般的に長期長段採り栽培では8月に定植し翌年の6月ごろまで収穫するため、夏場と冬場の両方の環境での安定した生育が求められています。トマトの重要病害として全国的に問題となっている青枯病は高温期に発生しやすく、褐色根腐病は冬場の低温期に発生しやすいため、両方に対応する品種が求められていました。『バックアタック』はこうした現代のトマト栽培に欠かせない要素をバランスよくカバーすることを目的に開発されました。草勢を保ちつつ青枯病と褐色根腐病への耐病性を両立させることが難しく、開発まで約7年かかっています。病害が進んでいる産地だけでなく、まだ被害が少ない産地でも土壌中の病害菌の密度を抑え、被害を広げないための予防的な利用にも向きます。また発芽率、発芽のそろいがよく、茎の太さも安定しているため大量の接ぎ木を行う生産現場の作業性アップにも貢献できます。『バックアタック』の希望小売価格は種子1,000粒入り1袋13,000円※11。3年後に1億円の売上を見込んでいます。



■トマトの接ぎ木苗と台木の役割

トマトの栽培現場では近年、土壌菌による連作障害が増加しています。台木用の品種は連作障害に対応するために果菜類の栽培で主流になっている「接ぎ木苗」に使われる品種です。幼苗時に苗の一部を切断し、そこに別の苗を接着しますが、上部になる植物体を穂木(ほぎ)、下部の植物体を台木といいます。例えば病気に強い台木の上に収量や食味のよい穂木を接ぐことで、両方の特質をそなえさせるなどします。穂木は「りんか409」や「麗夏」など品種名が紹介されることが多いですが、台木の品種が消費者の目に触れることはあまりありません。しかし収量や栽培管理に直結するため生産者は非常に重視しており、台木と穂木、また栽培管理との組み合わせで多くの病害や地域特性に柔軟に対応しています。特に安定的な生産が長期間求められるハウス栽培などでは普及しています。当社では大玉トマト、ミニトマトなどすべてのトマト栽培のうち、約半数は接ぎ木苗を利用していると試算しており、国内での台木トマト種子の市場規模は約10億円と推定しています。


■サカタのタネ 台木トマトの特性一覧表      

品 種 名   特    性 作   型
バックアタック 草勢が強く青枯病と褐色根腐病への耐病性をもつ万能型台木。
萎凋病レース3と半身萎凋病レース2への抵抗性も持つ。

全作型適応

ブロック 萎凋病レース3に抵抗性、青枯病と褐色根腐病に優れた耐病性の万能型台木。発病圃場だけでなく未発病圃場の予防としても適する。
マグネット 青枯病と褐色根腐病に優れた耐病性の台木。樹勢が強くスタミナが後半まで維持できる。特に収量を上げたい場合や2本仕立ての栽培に向く
フレンドシップ 褐色根腐病に対し、当社最強の耐病性台木。
青枯病にも強度の耐病性を発揮。草勢は中程度で、管理しやすい台木。

促成栽培※12
半促性栽培※13

レシーブ 青枯病に対し当社最強の耐病性台木。草勢は自根並み。

夏秋栽培※14
抑制栽培※15

サポート 青枯病に強度の耐病性台木。草勢がやや強く、初期成育が早いので特に初期に収量を上げたい場合に向く。

 
■サカタのタネ 台木トマトの特性と使い分け

N:ネマトーダ F-1:萎凋病レース1 F-2:萎凋病レース2 F-3:萎凋病レース3、J 3:根腐萎凋病 V:半身萎凋病 K:褐色根腐病 B:青枯病 
◎:抵抗性 ○:耐病性  耐病性の程度:弱い 1 ←→ 10 強い



※1   青枯病(B):
病原菌(細菌)が根の傷口から感染、侵入して発病する。気温が20℃くらいから発病し、日中、地上全体が青いまましおれ、やがて枯死する。

※2   褐色根腐病(K):
おもに促成栽培などの低温期に発生する土壌病害で、病原菌(糸状菌)が根に感染して発生する。感染した根は褐色に変色して表面がざらざらにコルク化する。土壌中からの水分の吸収ができなくなるため日中晴れると茎葉がしおれる。やがて感染した植物体は枝葉が黄化して完全に枯死する。

※3   耐病性:
耐病性は圃場抵抗性ともいい、病害におかされはするが、その程度が軽いという性質をいう。

※4   萎凋病(F):
土壌病害で病原菌(糸状菌)は根から侵入して導管内を伸展するので、はじめ葉が萎凋、黄化してやがて株全体がしおれて枯死する。

※5   半身萎凋病(V):土壌病害で根の傷口から病原菌(糸状菌)が侵入する。はじめ下葉の片側半分が黄化萎凋し、やがて株全体の半身がしおれて枯れ込む。

※6   根腐萎凋病(J3):
土壌病害で病原菌(糸状菌)が根から侵入して根腐れや維管束の褐変を起こす。発病は地温が15℃から20℃のときに激しく、晩秋から春にかけて発生する。慢性的にしおれ、下葉から黄化してやがて枯死する。

※7   ToMV(トマトモザイクウイルス):
おもに葉にモザイク症状が現れ、ときに葉の先が細くなることもある。また、茎葉や果実に激しい壊疽(えそ)が生じる場合もある。接触伝染や土壌伝染するため、はさみや手袋などの消毒や土壌消毒を行う。

※8   抵抗性:
抵抗性とは真性抵抗性ともいい、病害自体におかされない性質をいう。

※9   すじ腐れ果:
果皮部の維管束が壊死(えし)し、黒変や褐変した果実。

※10  空洞果:
果肉部がゼリー状物質で充満せずに果皮部と胎座部の間に空洞が生じた果実。

※11  価格はすべて希望小売価格(税抜)です。価格の自主的な決定を拘束するものではありません。

※12  促成栽培:
おもに7月下旬から9月上旬に播種し、短期栽培では10月から3月、長期栽培の場合は10月から7月まで収穫するトマトの作型。

※13  半促成栽培:
ほかの作物の後作として、秋から冬にかけて播種、初夏まで収穫するトマトの作型。

※14  夏秋栽培:
夏から秋にかけて収穫されるトマトの作型。2月中旬から5月に播種し7月から10月に収穫する。北海道、青森、福島、群馬、岐阜などで盛ん。

※15  抑制栽培:
5月中旬から7月上旬に播種し、無加温の場合7月から11月、加温の場合7月から2月まで収穫するトマトの作型。茨城、千葉、熊本に多い

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