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ニュースリリース|2016

2016年04月18日

暑さや病気に強い春夏ホウレンソウの決定版『ジャスティス』の種子発売
播種時期が長く6、7月まきも安心、萎凋病に強い耐病性で夏場の安定出荷を実現



サカタのタネは、夏の暑さに強く、タネをまける時期が長い春夏向けホウレンソウのF1新品種『ジャスティス』(=写真=)の種子を2016年5月から発売します。昨今の異常気象を背景に夏場のホウレンソウ栽培が難しくなりつつある中、生産現場の悩みを軽減できる品種です。
 


『ジャスティス』はべと病※1R-1~9、11~15※2に対する抵抗性※3を持ち、草姿は立性、葉の色は濃緑、形は剣葉です。最大の特徴は、夏場のホウレンソウ栽培の主要な病害である萎凋病※4に対する強い耐病性とトウ立ち※5しにくい晩抽性を合わせ持っている点です。萎凋病は夏場の高温期に発生しやすく、発生すると枯死するなど生産現場に大きな損害を与えます。またホウレンソウは生理的な特性上、夏に日が長くなってくるとトウ立ちし、花を咲かせます。トウ立ちすると出荷ができなくなるため、夏場のホウレンソウ生産では品種の早晩性への要望も非常に高くなります。『ジャスティス』は、この両方の要求に応え、夏場でもホウレンソウを安定して出荷できるようにすることを目標に開発された品種です。適応する作型が広く、3月下旬から8月中旬までの長期間、種まきができる使い勝手のよさも長所の1つです。耐暑性、耐病性、収量性、晩抽性、早生性、伸長性など、春夏のホウレンソウ栽培の主要な要素をバランスよく押さえており、当社は同品種を春夏まきホウレンソウの次世代品種の決定版として位置づけ、積極的に拡販していきます。

ホウレンソウ『ジャスティス』の希望小売価格※6は、プライマックス種子1袋30,000粒入り4,450円(税抜)です。全国の種苗店・JAルートを通じて販売します。3年後の販売目標額は1億円です。


■夏の高温化とホウレンソウ栽培の課題

昨今、温暖化など気候変動が世界的な問題となっています。気象庁の統計データ※7によると、日本国内では、平均気温の上昇や猛暑日の年間日数の増加などが報告されており、昔に比べて夏が暑くなっていることが指摘されています。気候の変化は、天候と密接な関係にある農業に重要な影響を与えており、特にもともと冷涼な気候を好むホウレンソウでは、暑い夏場の栽培が難しくなっています。現在、春夏のホウレンソウは岐阜県や群馬県などの高冷地、岩手県などの東北地方、また北海道※8などが主要な産地ですが、暑さへの対応は重要な課題の1つとして位置づけられています。暑さ対策の一方、春夏は日が長く、長日植物※9であるホウレンソウがトウ立ちする季節でもあります。そのため高い晩抽性(日の長い時期でもトウ立ちしにくい性質)も、春夏向けのホウレンソウにとって欠かせない要素です。なお夏場のホウレンソウは出荷が減少しがちなため、青果市場では高値で安定する傾向があります。この時期に良質な青果を出荷できれば、営農上のメリットがあります。

こうした背景から、多くの生産現場が夏場に安定出荷できるホウレンソウの新品種を待ち望んでいました。『ジャスティス』は当社の春夏向けホウレンソウの〝いいとこどり〟をしたような品種で、高い萎凋病への耐病性を持ち、晩抽性もトップレベルです。作業性や収量性などそのほかの特性についても高いレベルでそろえており、開発には約10年の歳月を要しました。試作をした産地からは「お盆に出荷できる品種が欲しかった。病気に強く成長も早くてよい」など高い評価をいただいています。


■収穫時の作業性と『ジャスティス』の草姿

ホウレンソウ栽培では、収穫後の袋詰めや結束など、荷造りの作業が全体の中で大きなウェイトを占めます。そのため、袋に入りやすく、束ねやすいスマートな草姿が好まれます。また、収穫や作業時に茎が折れてしまった葉は、見た目が悪いため、取り除かなければなりません。手間がかかり、収量も落ちるため、多少、乱暴に扱っても問題がない折れにくさは重要視されます。『ジャスティス』の草姿は葉があまり外に広がらない立性です。葉が開きやすい品種のように、株どうしが絡んでしまうこともほとんどありません。また茎はしなりがあり、折れにくいという特徴があります。試作先からは、耐病性や伸長性のよさとともに、こうした作業性のよさも評価をいただいています。


■ホウレンソウ『ジャスティス』の作型図


※1  べと病:
糸状菌(カビ)の一種のべと病菌(Peronospora farinose)により葉に灰緑色~黄色の境界不明瞭な病斑ができ、これが葉全体に広がり淡黄色となり葉裏面に灰紫色のカビが生える植物病害。特にホウレンソウの秋および春まき栽培で被害が大きい。これは、べと病菌が平均気温15℃前後で曇天や雨が続くと発生しやすいことによる。

※2  R(レース):
病原菌の形態には差異はないが、病原性が異なる菌系統のこと。数種の標準抵抗性品種を抵抗性を侵す/侵さないという抵抗性/罹病性反応によりレースが決定される。それまで発病が認められない抵抗性品種を侵す病原系統が発生すると、それが新レースとなる。ホウレンソウのべと病は、国内ではR-3~8までの発生が公的に報告されている。

※3  抵抗性と耐病性:
発病条件(温度、湿度、病原体の密度など)の影響を受けにくい安定したものに「抵抗性」、それに比べ影響を受けやすいがその程度が軽く、収穫する上ではほとんど問題にならない性質を「耐病性」という。「抵抗性」としているものでも、発病条件やレ-ス分化などにより発病する可能性はある。

※4  萎凋病:
ホウレンソウの重要な土壌性伝染病害。罹患すると栽培初期から症状が出て、生育不良を起こし、枯死する。夏どりを中心に6~9月まきの作型で特に被害が大きい。病原菌はFusarium oxysporum f. sp.spinaciae。土壌中に放出され長年、残存するので連作により発生が拡大する。

※5 トウ立ち(抽だい):
植物の茎が花芽の分化にともなって急激に伸長すること。

※6 価格はすべて希望小売価格(税抜)です。価格の自主的な決定を拘束するものではありません。

※7 気候変動監視レポート2014より、気象庁調べ。

※8  本州よりも緯度が高い北海道は夏場の日長もより長いため、『ジャスティス』よりも晩抽性に優れた「カイト」がよい。

※9  長日植物:
日長が長くなると花を付けはじめる植物。

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