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ニュースリリース|2016

2016年04月25日

受粉作業を省力化、大玉トマト『ハウスパルト』の種子を発売
冬春向け単為結果性品種、生産者の労力を削減できる画期的な品種

 

サカタのタネは受粉作業を大幅に省力化できる冬春(促成※1、半促性栽培※2)向けの大玉トマトの新品種『ハウスパルト』=写真=の種子を2016年6月から発売します。丸玉で赤熟出荷※3が可能な単為結果性の冬春向け品種としては国内初です。着果の安定性と省力化、高い食味などを実現しており、トマト栽培の新機軸を提案する画期的な品種です。
 


 

単為結果性は受粉しなくても果実が大きくなる特徴のこと。通常のトマトの品種は人力によるホルモン処理やマルハナバチにより受粉し果実を付けますが、『ハウスパルト』のような単為結果性の品種は、この作業がなくても果実が付きます。結果的に労働コストや資材コストを抑えることができるため、生産者に営農上の大きなメリットを提供できます。単為結果性の品種として、2012年に当社が発表した「パルト」は夏秋栽培※4向けです。

『ハウスパルト』は低温時の果実の肥大性を改良した品種で、冬春向けです。青果の重量は約220~240グラム、形は豊円、果実は色付きがよく、硬く、輸送性に優れます。赤熟もぎりが可能な品種をまとめた当社の青果ブランド「王様トマト」として出荷できます。また食味面では、果実のゼリー部分が少なく、果肉部分が多いのが特徴です。ゼリーが嫌いな方でも食べやすく、また酸味と甘みのバランスがとれた食味は、試作先からも高い評価をいただいています。肥大性、食味のよさ、果肉の硬さなど、大玉トマトに必要とされる要素と単為結果性を合わせ持たせることは難しく、開発には約10年かかりました。

大玉トマト『ハウスパルト』の希望小売価格※5は、1000粒入り28,900円(税抜)です。全国の種苗店、JAルートを通じて販売します。5年後の販売目標額は5,000万円です。


■繁忙期の作業を楽に、高齢農家から法人まで幅広いメリット

トマトの促成栽培では気温が上がる春先に収穫量が増え、生産者は出荷作業に追われることになります。人手不足などで繁忙期に受粉作業(ホルモン処理)に手が回らなかった場合、『ハウスパルト』は果実が付きますが、通常の品種は果実が付かないため、結果的に全体の収量が落ちることになります。体力的に作業が行き届かない高齢の生産者、人件費を掛けられない小規模農家はもちろん、一層の省コスト化を図りたい大規模農家や農業生産法人にもメリットを提供できます。また仕立て方にもよりますが、栽培後半は花や果実が高い位置に付いてきます。腕を高く上げての長期間の受粉作業は高齢の生産者にとって重労働ですが、この作業から解放される点は、試作先から高い評価をいただいています。なお農林水産省の統計によると、現在、日本国内の農業従事者の平均年齢は67.0歳とされ、年々増加しています※6。作業が楽になる品種には高い需要があると考えられます。


■特定外来生物問題とマルハナバチを使った受粉作業の課題

一般的に大規模なトマト生産者は、効率化と労力削減のため、ホルモン処理の代わりにマルハナバチを使い受粉を行います。その多くでヨーロッパ原産のセイヨウオオマルハナバチが利用されていますが、この種は旺盛な生育力を持ち、在来の近縁種と交雑することもあるため、生態系に悪影響を及ぼす危険性が指摘されいます。2006年には国の特定外来生物に指定されており、本種の利用には十分な注意が必要です。利用者はハチをハウス外に出さないような設備や管理を徹底することが条件付けられるなど、規制が厳しくなっており、運用コストが増加しています。マルハナバチの利用にともなうリスクとコストの削減、また持続可能な農業という視点からも単為結果性品種は画期性があります。大規模生産者、またこれから高効率なトマト栽培を始めたい農業生産法人にも適しており、多くの方にトマト栽培の新機軸を提案することができると考えています。


■「パルト」シリーズを使った単為結果性トマトによる周年栽培の実現

単為結果性のトマト品種は、愛知県農業総合試験場が開発した「ラークナファースト」(1994年)、同試験場と当社が共同開発した「ルネッサンス」(2000年)、当社が開発した「パルト」(2012年)など、ごく少数が知られています。本品種の登場により、「パルト」とリレーすることで、1年を通じて単為結果性で赤熟出荷が可能な丸玉のトマトを栽培することが可能になります。なお萎凋病(F:R-1)※7、ToMV(Tm-2a型)※8、半身萎凋病(V)※9、葉かび病※10、斑点病※11に抵抗性※12で、根腐萎凋病※13に耐病性、ネマトーダに耐虫性があります。また裂果※14、空洞果※15の発生が少ないです。


■『ハウスパルト』の作型図




※1  促成栽培:
7月下旬から9月上旬にタネまきし、短期栽培では10月~3月、長期栽培の場合は10月~7月まで収穫する作型。
※2  半促成栽培:
ほかの作物の後作として、秋から冬にかけてタネまきし、初夏まで収穫するトマトの作型。
※3  赤熟出荷:
トマトは樹で赤く熟してから収穫し、出荷すること。
※4  夏秋栽培:
夏から秋にかけて収穫される作型。2月中旬~5月にタネまきし、7~10月を中心に収穫する栽培が中心。
※5  価格はすべて希望小売価格(税抜)です。価格の自主的な決定を拘束するものではありません。
※6  農業センサス、農業就業人口及び基幹的農業従事者数より。
※7  萎凋病:
土壌病害で病原菌(糸状菌)は根から侵入する。葉が萎凋、黄化し、株全体がしおれて枯死する。
※8  ToMV(トマトモザイクウイルス):
葉にモザイク症状が現れる。茎葉や果実に激しいえそが生じる場合もある。
※9  半身萎凋病:
土壌病害で根から病原菌(糸状菌)が侵入する。はじめは下葉の一部の片側半分が黄化萎凋し、やがて枯れ込む。
※10  葉かび病:
糸状菌による病害。多湿条件下で葉裏に灰白色のかびが発生し、着果不良や青果の肥大不良の原因となる。
※11  斑点病:
糸状菌による病害。主に葉に発生する。多湿条件下で発生し窒素過多や肥切れするようなときに発病しやすい。
※12 抵抗性・耐病性:抵抗性は病害自体におかされない性質、耐病性は圃場抵抗性ともいう。おかされはするがその程度が軽い。
※13  根腐萎凋病:
土壌病害で病原菌(糸状菌)により根腐れを起こす。晩秋から春にかけて発生する。慢性的にしおれ、枯死する。
※14  裂果:
収穫期になり、果実表面が果実内部の膨圧に耐えきれず、はじき割れること。
※15  空洞果:
果肉部がゼリー状物質で充満せずに果皮部と胎座部の間に空洞が生じた果実。

 

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