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ニュースリリース|2016

2016年11月18日

春から初夏どり、晩抽性一本ネギ新品種『初夏扇』の種子を発売
4月下旬から5月上旬に葉色のよい高品質な青果を収穫、管理しやすく作業性よし

 

サカタのタネは春から初夏にかけて花芽(ねぎ坊主)が上がりづらく、高品質な青果を収穫できる晩抽性※1の一本ネギ※2のF1新品種『初夏扇』(しょかおうぎ)=写真=の種子を発売します。



『初夏扇』は合黒系※3一本ネギで中早生品種。最大の特徴は、春でも花芽が上がりにくい晩抽性において従来品種よりも優れていることです。春どり、および初夏どり栽培に適しています。一般的にネギは、植物としての生理的な特性上、冬を越し、日が長くなり、気温が上がりはじめる春から初夏にかけて、花芽が上がりはじめます。花芽が上がりはじめると身が固くなり品質が悪化し、出荷できなくなります。供給減により、この季節は市場価格が高値で安定するため、高品質な青果を収穫できる晩抽性の新品種の登場が期待されていました。『初夏扇』はこうしたニーズに応えることをコンセプトに開発されました。

『初夏扇』は晩抽性とともに、青果の品質と作業性のよさ、畑の管理のしやすさなども兼ねそろえています。品質面では、同時期に収穫される他の一本ネギに比べて葉色が濃くて見栄えがします。作業性では、栽培中の葉折れ※4が少ないため、土寄せなどの管理がしやすいほか、葉が横に広がらず立ち気味に生育する立性の性質を持つため、出荷時の機械化に対応しやすいです。加えて、気温が上がりはじめる5月以降は、ネギの葉鞘と葉身※5の境目にあたる襟部(えりぶ)がさける「襟割れ」という症状が出やすくなりますが、『初夏扇』は生育が穏やかなため、これが出にくいことも特徴です。生産者は余裕をもった収穫スケジュールを組むことができるほか、出荷ロスを軽減できます。なお開発には約10年以上かかっています。

『初夏扇』の希望小売価格※6は、1dl入袋9,250円(税抜)、ペレット6,000粒入り1袋6,400円(税抜)、初年度販売目標額は、8,000万円です。2017年1月から販売を開始します。


■一本ネギの生産と晩抽性品種の重要性

日本食の素材として、また各種料理の薬味として、ネギは日々の食卓に欠かせない野菜です。生産額は約1,366億円とされ、国内の野菜類ではトマト、イチゴ、キュウリに次ぐ4位に位置しています※7。栄養価も高く、経済性や食生活、健康維持の観点からも非常に重要な野菜品目の1つになっています。

一般的に旬は秋と冬(秋冬ねぎ)とされていますが、季節を問わず需要があるため、年間を通じて安定的に出荷されています。夏場は涼しい北海道や東北地方などに産地を移し(夏ねぎ)、リレー出荷が行われていますが、周年出荷の観点で課題となっているのが、花芽が上がってくる3月下旬から5月上旬にかけての一時期(春ねぎ)です。

生産者は各種の工夫を凝らしてこの時期の収穫を実現していますが、そうした工夫の中でも、作型と地域にあった適切な品種の選択が最も重要とされています。当社には晩抽性品種として全国的に高い評価をいただいている品種「春扇」がありますが、『初夏扇』は「春扇」よりも、より高い晩抽性があり、1~2週間程度、遅くまで収穫できます(地域、栽培方法により差異がでます)。

なお同時期はネギの市場価格が高くなりやすい時期です。年によりますが、11月~1月と比べて、4~6月は1.2~1.5倍程度の高値で推移することが知られています※8。5月上中旬に向けて価格が上がっていくため、1~2週間の収穫可能時期の伸長は、生産者にとって大きな意味があります。

『初夏扇』を導入することで、生産者はより条件のよい時期での出荷を実現することができます。産地の活性化に貢献できる品種として、当社は積極的な導入を図っていきます。


 


『初夏扇』(上)は他社従来品種(下)と比べ葉折れが少なく葉色が濃い

■ネギ『初夏扇』の作型図


 


※1 晩抽性:花芽を付けるための抽苔※9が遅い性質のこと

※2 一本ネギ:
「長ネギ」「白ネギ」「根深ネギ」ともいう。一般的に葉鞘部分に土をかけて(土寄せ)、日光を遮ることで白くて長い葉鞘をつくる軟白を行って育てる。東日本では一本ネギの利用が多く、西日本では軟白を行わず、緑色の葉の部分を主に食べる葉ネギが主流。

※3 合黒系:
ネギは「赤柄(あかがら)」「合柄(あいがら)」「合黒(あいぐろ)」「黒柄(くろがら)」の4つの系統に大きく分類されており、それぞれ特徴がある。赤柄系は分けつ性が強く、黒柄系は分けつせず一般的に暑さに強い。合柄と合黒は、赤柄と黒柄の中間の性質を示す。ほぼ分けつしないネギで一般的に寒さに強く低温期の葉鞘の伸長性に優れている。

※4 葉折れ:
ネギは生育するにつれて葉が伸びるが、品種によっては強風により葉が折れやすい。葉が折れると土寄せ作業がやりにくくなるなど作業性に影響する。

※5葉鞘(ようしょう)と葉身(ようしん):
主にイネ科・ネギ科など単子葉植物の葉は葉鞘と葉身からなる。葉緑体を多く含み、光合成をさかんに行う葉身に対し、葉鞘は葉の基部が茎を包むように鞘状に発達した部分で、主に養分の貯蔵と茎を保護する働きがある。

※6 価格はすべて希望小売価格(税抜)です。価格の自主的な決定を拘束するものではありません。

※7 農水省・生産農業所得統計 農産物産出額の順位と構成比(2014年)参照。順位はコメ、畜産物、果樹を除いたもの。

※8 東京中央卸売市場・市場統計情報より。大田市場 品目取扱実績(ねぎ)参照。

※9 抽苔(ちゅうだい):
「トウ立ち」ともいう。気温や日長などにより花茎(花をつけた茎)が急に伸びること。
 

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