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ニュースリリース|2017

2017年10月25日

台木トマトの新品種『アシスト』の種子を発売
かいよう病、青枯病に優れた耐病性、強勢で長段栽培にも向く複合耐病性台木


サカタのタネは、かいよう病※1への優れた耐病性※2を持つ台木トマトの新品種『アシスト』(=写真=)の種子を、2017年12月から発売します。



台木トマトには土壌伝染性の病害への耐病性が求められ、以前は高温期の作型には青枯病※3、低温期の作型には褐色根腐病※4の耐病性が必要とされてきました。しかし、近年のトマト生産では栽培期間が長い作型が増え、複数の病害への耐病性とバランスのよい草勢の強さが求められています。

『アシスト』は、青枯病、褐色根腐病など、土壌伝染性の複数の病害や害虫に耐病性・耐虫性を持ち、さらに、かいよう病への優れた耐病性を持っているのが特徴です。また、草勢が強いので、近年のトマト生産の現場で増えている長段栽培※5でも、長期にわたる栽培期間の後半まで草勢を強く維持できるため、高い収量を上げることができます。さらに、発芽や生育のそろいが良いので接ぎ木作業を効率良く行うことができます。

『アシスト』の種子の希望小売価格※6は1袋1,000粒入り13,900円(税抜)で、全国の種苗店、JAルートを通じて販売します。3年後の売上目標は1億円です。


■トマト栽培と台木用品種

トマトの栽培現場では近年、土壌病害が増加しており、夏の高温期には青枯病、冬の低温期には褐色根腐病などの病害が発生し問題となります。こうした土壌病害に対応するために行われているのが、接ぎ木苗の利用です。接ぎ木苗とは、幼苗時に苗の一部を切断し、そこに別の苗を接着するものです。このとき、上部になる植物体を穂木(ほぎ)、下部の植物体を台木(だいぎ)といいます。例えば、病気に強い台木品種の上に、収量や食味の良い穂木品種を接ぐことで、両方の性質を備えさせることができます。また、近年は面積あたりの収量を上げるために栽培期間の長い長段栽培が増えてきており、青枯病と褐色根腐病の両方に対して耐病性が求められるようになってきました。栽培期間が長期化することで、草勢の維持も課題となっており、台木には長期間におよぶ栽培の後半まで安定した収量を維持できる草勢の強さが求められるようになってきています。

『アシスト』は、こうした需要に応える強度の複合耐病性と、強い草勢という品種特性を持ち合わせ、さらに、かいよう病への優れた耐病性を持っています。これまで、トマト産地でかいよう病による被害が報告されていましたが、かいよう病に実用的な耐病性を持つ台木用品種はほとんどなく、対応策は土壌消毒だけしかありませんでした。『アシスト』は、各種病害の発生に悩む産地にとって有効であり、また、被害が少ない産地でも被害を広げないための予防的な利用に効果的です。
なお、台木用品種には接ぎ木の作業性の良さも求められますが、『アシスト』は発芽や生育のそろいが良く、セルトレーに播種・育苗した際の欠株が少ないため、補植の手間も減り、作業効率が向上します。


■サカタのタネ 台木トマトの特性一覧表
 

品種名 特性 作型
アシスト かいよう病に優れた耐病性を持ち、青枯病にも強い。
強勢で長段栽培にも向く複合耐病性台木。
全作型適応
バックアタック 草勢が強く青枯病と褐色根腐病への耐病性を持つ万能型台木。
萎凋病レース3と半身萎凋病レース2への抵抗性も持つ。
全作型適応
フレンドシップ 褐色根腐病に対して当社最強の耐病性台木。
青枯病にも強度の耐病性を発揮。草勢は中程度で、管理しやすい台木。
促成栽培
半促成栽培   
レシーブ 青枯病に対して当社最強の耐病性台木。草勢は自根並み。 夏秋栽培
抑制栽培
ブロック 萎凋病レース3に抵抗性、青枯病と褐色根腐病に優れた耐病性の万能型台木。
発病圃場だけでなく未発病圃場の予防としても適する。
全作型適応
マグネット 青枯病と褐色根腐病に優れた耐病性の台木。樹勢が強くスタミナが後半まで維持できる。
特に収量を上げたい場合や2本仕立ての栽培に向く。
全作型適応

               
■サカタのタネ 台木トマトの特性と使い分け
 

品種名 抵抗性・耐病性の種類(Nは耐虫性) ToMV
抵抗性遺伝子
草勢
N F-1 F-2 F-3 J 3 V-1 V-2 K B Cmm
アシスト   ○6 ◎8 Tm-2a型 やや強
バックアタック ○6 ◎8   Tm-2a型 やや強
フレンドシップ     ◎9 ◎8   Tm-2a型 中~やや強
レシーブ       ◎9   Tm-2a型 ややおとなしい
ブロック   ○6 ○6   Tm-2a型 やや強
マグネット     ○5 ○6   Tm-2a型

                                                                                      
N:ネマトーダ 
F-1:萎凋病レース1 F-2:萎凋病レース2 F-3:萎凋病レース3、J 3:根腐萎凋病 V-1:半身萎凋病レース1 
V-2:半身萎凋病レース2
K:褐色根腐病 B:青枯病 Cmm:かいよう病
耐虫性:□ 耐病性:◎強 ○中強 耐病性の程度:弱い 1 ←→ 10 強い



※1 かいよう病:
トマトかいよう病。病原菌(細菌)により土壌伝染などのほか、管理作業などによってできた傷口から二次伝染する。多湿時に多く発生し、下部の葉の周辺がしおれ始め、その後、株全体がしおれて枯死する。

※2 耐病性・抵抗性:
耐病性とは圃場抵抗性ともいい、病害におかされはするが、その程度が軽いという性質をいい、抵抗性は真性抵抗性ともいい、病害自体におかされない性質をいう。

※3 青枯病(B):
病原菌(細菌)が根の傷口から感染、侵入して発病する。気温が20℃くらいから発病し、日中、地上全体が青いまましおれ、やがて枯死する。

※4 褐色根腐病(K):
おもに促成栽培などの低温期に発生する土壌病害で、病原菌(糸状菌)が根に感染して発生する。感染した根は褐色に変色して表面がざらざらにコルク化する。土壌中からの水分の吸収ができなくなるため日中晴れると茎葉がしおれる。やがて感染した植物体は枝葉が黄化して完全に枯死する。

※5 長段栽培:
トマト栽培において面積あたりの収量を上げるために、栽培期間を長くし、収穫する花房の段数を多くする栽培方法。

※6 価格はすべて希望小売価格(税抜)です。価格の自主的な決定を拘束するものではありません。
 

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