「アクロクリニューム(花かんざし)の特徴や育て方のポイントをご紹介」
ドライフラワーとして親しまれている品種。分枝が旺盛で、草丈60cm前後、まっすぐに伸びた茎の先端に花径5cmほどの光沢ある濃桃系の花が1輪ずつ咲きます。夜になると花は閉じます。
オーストラリア原産の耐寒性1年草です(ドライフラワーに利用される花はオースロラリア原産が多いです)。一般的に春まきにしますが、暖かい地域では秋まきもできます。植えつけは特に水はけのよい場所かやや高うねにします。
桜の開花するころがタネまきの適期です。タネは綿毛に覆われていて水をはじく性質があるので湿った砂や土でよく揉んでタネが吸水できるようにします。ピートバンや清潔な土を入れた播種箱に5mmほどの深さにタネが重ならないようにバラまきにしてたっぷりと水やりします。タネまき後約30~40日で本葉が2~3枚ほどになるので、根を切らないように注意して小鉢に植え替えます。植えつけは水はけのよい場所に1㎡当たり完熟堆肥約3kg、化成肥料約30g(約1握り)、苦土石灰50~100gをよくすき込み、やや高うねに整地した後、株間約30cmで深植えにならないようにします。
タネまき後や植え替え後の水やりは、加湿にならないように(加湿による根腐れ)注意します。秋まきでは早めに植えつけて、寒さが厳しくなる前に十分に根を張らせ、霜よけをすると安心です。植えつけ場所は日当たりのよい場所で元肥はやや控えめに入れます。酸性土を嫌うので必ず苦土石灰を入れて、PHを6.5以上に調整します。また、株元から多くの枝が出るので、特に風とおしをよくするために株間は30cm以上ゆったりと植えます。
気温の上昇とともにアブラムシやアオムシがつきやすくなります。また、梅雨時には高温多湿により灰色かび病(花ボト)や地際部分の加湿による菌核病の発生があるので定期的に殺菌剤、殺虫剤を散布します。植えつけ後ネキリムシの食害に注意します。
秋まきに比べて春まきはやや分枝や草丈などのボリュームは劣りますが、ローズ、ピンク、ホワイトなどの色幅が花壇やコンテナを彩ります。ドライフラワーとして色鮮やかに作るには、切り取った後一気に束ねて風とおしのよい日陰に逆さにつるします。4~5日は開いたり閉じたりしますがだんだん開いた状態になります。ローダンセやラグラスなどのドライフラワーアレンジも楽しいです。