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パンジーの歴史


ヨーロッパの高原に咲く
ビオラの野生種

1.パンジー育種のはじまり

スミレ科スミレ属に属し、世界の温帯に400種類以上が分布しています。

育種の歴史は、17世紀には野生種(Viola tricolorなど)を園芸的に栽培していたことが記録で残っています。

ちなみに「パンジー」という名前はパンセ(考える)というフランス語から。

また、交雑種であるパンジーの学名はViola x wittrockianaです。これは、スウェーデンのビオラ学者Wittrock氏にちなんで名付けられました。

 

2.種間雑種の作出

19世紀初頭には、種間交雑に成功しました。ここから多種多様なパンジーの品種群を形成する育種がはじまりました。今のパンジーには、V. tricolorV. lutea、V. cornuta、V. calcarataなどがかかわっているといわれています。

 

3.色、花型、サイズの進化

改良の結果、19世紀前半にはブロッチのあるタイプ(マドラタイプ)が出現。また、花の形も細長い‘馬づら’から今の形に近い丸弁へとなっていきました。19世紀中盤には、人気が沸騰し、ショウパンジーに発展しヨーロッパ本土へ伝わりました。20世紀のはじめには現在ある花色のほとんどは出現していたそうです。

20世紀前半は、大輪の時代といわれ、アメリカを中心に大輪の育種が盛んになりました。

スイスジャイアント、メープルリーフジャイアント、オレゴンジャイアント、マストドンジャイアントなど。そして、1966年世界最大輪のマジェスティックジャイアントが誕生しました。


巨大輪
スイスジャイアント
 

70年代の春の花壇

4.開花生理の育種

花を咲かせ、タネを付けることは植物体にとっては重労働であるため環境がよいときには無理に花を咲かせません。不良環境になると感じた植物は子孫を残そうと花を咲かせます。パンジーは夏の暑さが嫌い。寒い冬(低温)の後に春(長日条件)が来る。その後、嫌いな夏が来る。だから、パンジーは低温に当たった後(一定の低温量が必要)、長日条件で花を咲かせるのです。

パンジーは本来、春に花を咲かせる植物。実際、20年以上前には春の植物(商材)として扱われていました。

以前のパンジーは春に楽しむ花

 

それが、F1品種(より早生・より強健)が作出され、早期出荷を目指していく中で秋咲き性があることが発見されました。(低温要求量の低下)こうしてパンジーは秋の植物(商材)となったのです。具体的に秋にパンジーが出荷されるようになったのはここ十数年のことです。

ちょっと前のパンジーは秋と春の2シーズン楽しむ花

でも従来の品種は秋に花が咲いた株を植え付けても冬は日長が短くなるため花が咲きにくくなります。ここに消費者ニーズとのギャップが生まれました。

そこで、冬にも花が楽しめるパンジーを実現させたのがLRシリーズです。LRシリーズは、低温を必要としないことはもちろん、短日条件下でも花を咲かせます。LRシリーズの出現によってパンジーは秋から冬を通して春まで、3シーズン楽しむ花となりました。

ちなみにLRとはロングラン(Long Run)の略で長期間開花する特性を表しています。


冬も花さかりLRパンジー

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