「ダイコン 「冬馬力(ふゆばりき)」 の特徴や育て方のポイントをご紹介」
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厳寒期の肥大性が優れる晩抽性品種 |
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・晩抽性があり、一般地の早春どりトンネル栽培に加え、露地またはマルチ栽培の越冬どりの2作型での栽培が可能。
・草姿は中大葉でやや開張性。
・抜群の肥大性があり早期収穫が可能。
・厳寒期収穫で問題となる肩こけがしにくい。
・肌がきれいで、肉質は緻密でみずみずしく甘みがある。
・吸い込み性で曲がりが少なく、そろいがよいので作業性に優れる。
・首色はやや淡く青首内部が青肉になりにくく純白で、アメ肉になりにくいため生食はもちろん加工・業務用途にも適する。
一般地(千葉基準)の10月下旬~11月上旬まき2~3月下旬どり、9月末~10月上旬まき1~3月中旬どり、暖地(鹿児島基準)の10月下旬~11月上旬まき2月どりに適します。
緩効性肥料をおすすめします。肥料は10aあたり成分量で窒素7~9kg、リン酸15kg、カリ10kgを目安とします。前作の残肥を考慮し、多窒素栽培による葉勝ちにならないように注意します。またこの時期問題となる乾燥横縞症対策としてホウ素や過燐酸石灰の施用をおすすめします。
土壌水分が多い状態でのロータリー耕うんやマルチ張りは、土を締め根の変形が出やすいので避けます。逆に土壌が乾燥しすぎた状態でのマルチ張りは発芽不良を引き起こし、側根や横縞症の発生を助長し品質低下につながるので注意します。
栽植密度は地域や作型によって異なりますが、一般地基準でマルチは3~4条で条間30~35㎝×株間23~25㎝を標準とし高畝にします。無理な早まきは葉が繁りやすく根のまとまりが悪くなり、遅まきは短根や抽だいの危険性があるため避けます。
本品種は草勢が強い品種のため、トンネル内を蒸し込ませず葉が繁らないように管理した方が、根形のバランスのよいダイコンに仕上がります。従って、暖冬年では播種後のトンネル被覆や不織布などのべたがけを少し遅らせたり、換気強めの管理を行う必要があります。地域や天候の状況により異なりますが、発芽後はトンネルを密閉せず裾換気を行います。生育中後期にあたる2月ごろからは天候を見ながら徐々に換気を強め、3月にはトンネルを除去します。
病害については近年、黒斑細菌病などの病害が各産地で問題となっており、越冬どり栽培も含め生育初期からの定期的な殺菌剤防除が重要です。
極早生品種のため、早め早めの収穫を心掛けます。一度にたくさんの播種を行う場合は、極晩抽性で低温伸長性に優れるやや晩生品種の「濱のはる」との組み合わせをおすすめします。
施肥は追肥体系を基本とし、生育前半は葉を旺盛にせずじっくり育てる管理が大切です。そのため元肥は緩効性肥料をおすすめします。栽植密度は条間55cm、株間23cmを目安とします。厳寒期の栽培となるため、追肥の際は窒素、カリウムに加えマグネシウムやカルシウムといった微量要素の施用をおすすめします。特に生育後半の肥料切れは耐寒性の低下による生育遅延に加え、黒斑細菌病などの病害の発生を助長するので注意します。冬の寒さが厳しい地域では、霜が降り始めるころに不織布によるべたがけやトンネル被覆を行うことで、抽根部の凍害や霜による葉の傷みを軽減し、歩留まり向上につながります。
品目 | ダイコン(大根) |
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原産地 | 地中海沿岸、華南高地、中央アジア |
科・属名 | アブラナ科ダイコン属 |
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