ホウレンソウ 「トリトン」
多収型で晩抽性に優れるホウレンソウ
特性
1. 晩抽性の交配品種で、べと病R-1~9、11~16、18、19に抵抗性、萎凋病に耐病性がある。
2. 濃緑、平滑な広葉で、葉先がやや尖り、浅く欠刻が入る。
3. 株張りがよく葉軸が太くなるため、収量性が高い。
4. 晩抽性品種としては、立性で草姿がよく、収穫作業性が優れる。
5. 収穫期前後の生育速度が比較的ゆっくりとなるので在圃性がある。
6. 寒冷地の4月中旬~5月下旬まき、および温暖地、暖地の4月上旬~5月下旬まきに適する。
適応性
本品種は抽苔が安定しており、長日による抽苔が問題になる初夏まきでも安心して栽培できます。「アクティブ」と同程度の萎凋病耐病性を持っているので安定した出荷が可能です。 ただし、高温条件下では生育が遅延、停止することがあるので、無理に作型を遅らせないよう心がけます。 特に4~5月まきのパイプハウスや露地雨よけ栽培で、べと病の被害を受けている生産者に適した品種です。
畑づくり(圃場準備)
完熟堆肥の施用と深耕は、ホウレンソウ作りの基本です。連作障害を回避し高品質のホウレンソウを生産するために、普段から土作りに心がけます。萎凋病に対して耐病性はありますが、連作圃場の高温期の作型では土壌消毒を行うことが望ましいです。
播種
条間15~20cm、株間5~7cmのスジまきとします。高温期は遮光資材などを利用して地温を下げ、発芽しやすいようにします。
管理
いくら湿った条件でも徒長しにくい品種です。ハウス栽培では適時に灌水をし、通常よりやや土壌水分を多めにして、生育を促す栽培が適します。土を極端に乾燥させると生育が遅延、停止することがあるので、注意してください。
病害虫防除
アブラムシ、アザミウマなどが発生しやすいので防除します。また最近はこの作型でもケナガコナダニの被害が増加しています。被害に気付いてからでは、防除しても手遅れになる場合がほとんどです。過去に発生の見られた圃場では、必ず生育初期に予防的な防除をするようにしてください。
収穫
とり遅れのないように、適期を逃さず収穫します。