ホウレンソウ 「ハイドン」
早春・秋まき用、在圃性・収量性が優れる。多収型ホウレンソウ
特性
1.べと病R-1~11、13、15、16、18に抵抗性がある。
2.濃緑、平滑な広葉で、葉先がややとがり、浅く欠刻が入る。
3.立性で隣の株との葉の絡みが少なく、軸折れもしにくいので、収穫作業性が非常に優れる。
4.葉枚数が多く葉軸が太くなるため、収量性が高い。
5.中生クラスの生育速度である一方、在圃性が高くとり遅れの恐れが少ない。
6.温暖地・暖地の1~3月中旬まきおよび9月中旬~10月上旬まき、高冷地・冷涼地の9月中旬まきに適する。
適応性
収穫期における在圃性の高さが大きな特長であるため、これを生かせる作型がおすすめです。1~3月中旬まきでの適性は非常に高いです。春先やや暖かくなると、べと病が発生しやすくなりますが、R-1~9、13、15、16、18に抵抗性があります。ただし、それ以降の播種は抽苔の恐れがあるので避け、「ジャスティス」や「トリトン」などの晩抽性品種に切り替えます。一方、秋まきでは、9月中旬~10月初旬(初秋)の播種が適します。非常に多収になり、かつ収穫作業性も大変優れます。10月中旬以降の播種は、寒い年では収穫時期がかなり遅れてしまう恐れがあるため、年内出荷を目指す場合、「クロノス」や「オシリス」などの低温伸長性が優れる品種に切り替える方が安心です。
畑づくり(圃場準備)
完熟堆肥の施用と深耕は、ホウレンソウ作りの基本です。連作障害を回避し高品質のホウレンソウを生産するために、普段から土作りを心がけます。
播種
条間15~20cm、株間3~6cmのスジまきとします。高温期は遮光資材等を利用して地温を下げ、発芽しやすいように工夫します。露地で排水不良の畑では高畝にしてください。
管理
通常の秋まき品種と同様に管理します。特に生育に水分を必要とする品種ではないため、ハウスでは乾き過ぎないよう灌水する程度で十分です。
病害虫防除
春先の作型では最近ケナガコナダニの被害が増加しています。被害に気付いてからでは、被害の拡大を抑えることが難しいため、過去に発生の見られた圃場・作型では、必ず生育初期に予防的な防除を行ってください。秋口はシロオビノメイガ、ハスモンヨトウなどが問題になります。被害が拡大する前に早期防除を徹底します。
収穫
とり遅れのないように、適期を逃さず収穫します。
べと病に関する注意
※近年べと病のレース分化が著しく早まっています。いつ更なる新レースが発生してもおかしくない状況なので、抵抗性の品種を使用している場合でも決して安心せず、予防的な薬剤散布や適切な乾季など耕種的防除を心がけてください。