ホウレンソウ 「ジャスティス」
強度の萎凋病耐病性、晩抽の
剣葉春から夏まき用ホウレンソウ
特性
1.べと病R-1~9、11~16、18、19に抵抗性を持つ。
2.濃緑、平滑な剣葉で、葉先がとがり浅く欠刻が入る。
3.立性で葉軸にしなりがあり、収穫作業性がよい。
4.フザリウム菌による萎凋病に対し、「アクティブ」以上の強い耐病性をもつ。
5.草勢強く耐暑性があり、高温期でも生育遅延などの障害が起きにくい。
6.早生性がありながら、収量性にも優れる。
適応性
萎凋病に強く晩抽性が安定しているため適応作型が広く、春~夏にホウレンソウを安定出荷したい産地に適します。3月下旬~8月中旬まで播種でき、ホウレンソウ栽培が難しい6~7月まきでも能力を発揮します(緯度が高く日長の長い北海道では、抽苔の危険があるため5月中旬~7月中旬の播種は避けましょう)。
畑づくり(圃場準備)
完熟堆肥の施用と深耕は、ホウレンソウ作りの基本です。とくにハウス栽培の場合は1年に何回も播種することになるので、「バイテクバイオエース」などの有機質肥料、完熟堆肥を投入し、地力の低下を防ぎます。直根性の作物なので、根がスムーズに伸びる土作りを心がけてください。塩類蓄積や高pHが問題になる場合も多いので、定期的に土壌分析を行い肥料や石灰の過剰施用を避けてください。
播種
条間15~20cm、株間5~7cmを目安に播種します。高温期は遮光資材などを利用して地温を下げ、発芽しやすい環境に近づけてください。生育期間中も適宜遮光資材を利用すると生育がスムーズになります。収穫・調整作業が最も労力を要するので、収穫時に無理のない播種体系を心がけます。
病害虫防除
ハスモンヨトウ、シロオビノメイガ、ケナガコナダニ、アザミウマなどが問題になります。害虫被害は気付いたころにはすでに拡大していることが多いので、初期防除を徹底してください。萎凋病に対しては強度の耐病性を持ちますが、激発圃場では土壌消毒を行うことをおすすめします。
収穫
春・夏まきでは収穫時の生育が早くなるので、収穫遅れには注意してください。
べと病に関する注意
※近年べと病のレース分化が著しく早まっています。いつ更なる新レースが発生してもおかしくない状況なので、抵抗性の品種を使用している場合でも決して安心せず、予防的な薬剤散布や適切な乾季など耕種的防除を心がけてください。