レタス 「ペネトレイト」
根腐病レース1、2および黒根病に耐病性があり、形状安定性と肥大性が優れる極早生品種
特性
・サリナス系の極早生品種。
・根腐病レース1、2および黒根病に耐病性がある。
・気温上昇期に収穫する作型においても形状が乱れにくく、尻部の形状が安定する。
・肥大力があり玉張りがよく、偏円形で箱詰めしやすい。
適応性
高冷地 : 3月上旬~4月中旬まき→6月上旬~7月上旬どり 冷涼地 : 2月上旬~3月下旬まき→5月中旬~6月中旬どり 一般地 : 11月中旬~1月中旬まき→3月中旬~5月上旬どり 暖 地 : 11月中旬~1月中旬まき→3月中旬~4月下旬どり 品種本来の特性をよりよく発揮させるためにも、作型図を確認の上、適期での播種を心がけます。
播種と育苗
レタスの最適発芽温度は18~20℃です。15~25℃の範囲であれば十分な発芽率が得られると言われています。播種期は低温期にあたりますが、ハウスやトンネル内での育苗をする場合、換気次第で非常に高温になってしまうことがあります。発芽適温を考え、日中や夜間の育苗床の温度管理に注意してください。
レタス全般に言えることですが、いかにしっかりとした苗を育てるかが、定植後の活着のスムーズさを含め、その後の生育に大きく影響を与えます。地上部ばかりが大きくなるような苗ではなく、根部と地上部のバランスがしっかりとれた苗を作るように心がけることが大切です。低温期とはいえ、過保護な管理は、苗の徒長を助長します。定植前には、定植予定圃の温度に十分慣れさせるようにしてください。
またマルチング前の圃場が乾燥しすぎていると、定植後の活着が遅れたり定植後の灌水が不足したために、生育が不ぞろいになることがあります。定植前に、しっかりと圃場に水分をもたせた状態でマルチングをするようにしてください。
施肥と管理
当品種は肥大力のある品種です。その適性をよりよく発揮するために、慣行品種よりも1割程度控えた施肥設計が適します。
また生育期間中に極端な干ばつや過湿条件にならないよう、適宜灌水や畝上げによる排水対策、定植前の準備として、完熟堆肥などを利用した土作りによる土の緩衝能力を高めておくことが、生理障害の防止や秀品率の向上につながります。
活着から結球期までにしっかり根を張らせ、外葉の生育をスムーズにするのが秀品率を高めるポイントとなります。
病害虫防除
レタス根腐病に耐病性がありますが、全く発病しないということではなく、菌密度の高い圃場などでは発病する可能性があります。こういった圃場では、土壌消毒や薬剤処理、その後の土作りを含め、総合的な対策をとることが必要になります。
また病害虫全般に関しては、早め早めの予防防除が重要で、状況に応じて適宜農薬を使用するようにしてください。
収穫
「ペネトレイト」は極早生品種です。玉の形状が定まるのが早く肉厚なので、若干早めから収穫することが可能です。よりおいしいレタスを消費者の皆様にお届けするためにも、取り遅れることのないよう、早めからの収穫を心がけてください。